店主訪問記

2014年04月01日

菓子処 村岡屋 池田晴香 さん

菓子処村岡屋本店店長池田 晴香さん
菓子処村岡屋本店
店長 池田 晴香さん

4月には久しぶりに新商品が登場!
「笑顔」と「感謝の気持ち」を込めて―

 お菓子処・佐賀を代表する店といえば「村岡屋」さん。そう、あの「さが錦」を生んで佐賀のお菓子を全国、そして世界に知らしめる機会を創ったお菓子屋さんだ。昭和3年、小城の村岡屋から分家、羊羹1本からオリジナリティー溢れる、実に佐賀らしいお菓子づくりを続ける「村岡屋」さん。今まで、工場や本社企画室に取材、今回で5回目の訪問となるが、本店への訪問は約6年半ぶり。直接お客様と接する現場ならではのお話を伺った。

Q・池田さんはどのような経緯で本店の店長に? 他店と比べ違いはありますか?
A・現在、県内に25店舗、長崎に3店舗、福岡に3店舗の計32店舗があります。
本店に赴任する前は佐賀駅内のデイトス店やゆめタウン佐賀店などで店長職を務めていました。本店の店長となって二年目。店舗の広さも顧客の多さも一番なのですが、スピード感が他店と比べて違うことに最初、驚きました。

Q・いつ来てもゆったりと時が流れている気がするのですが…スピード感とは?
A・そうなんです、いい意味でとてもゆったりしているんです。今まで勤めていた店舗はテナントだったので、お客様も「このお菓子をください」と目的を持って来られる方や、お急ぎの方も多かったので、スピーディーに動かないといけませんでした。その点本店ではセルフサービスのカフェスペース、ギャラリーもありますし、接客にじっくり集中できるんですよね。

Q・「村岡屋」さんは社員教育を徹底されていて、常に接客のブラッシュアップをはかっているそうですね。
A・全店舗で同じレベルの接客サービスができるように、パートさん含めて研修を行っています。
「笑顔」「感謝の気持ち」が当社の接客ポリシーなのですが、常に「どのようにしたら、お客様に気持ちよくお買い物をして頂けるか」を考えて接客しています。しかし、これが一番難しいとこ ろなんです。お客様にさりげなく話しかけ、何を求められているのかを察知しアドバイス差し上げるのですが、シチュエーションも年代もさまざま。お客様のご要望にピッタリ合った商品をお薦めでき、次回につながるとやりがいに変わるのですが、お客様も十人十色。中には話しかけてほしくない方もいらっしゃると思うんですよね。その辺もやはり接客応対として難しいところだと感じています。

Q・でも、逆にリピーターさんから指名されることもあるでしょう?
A・はい。それこそが、接客の醍醐味ですね。お菓子を通じてお客様と人間関係を作っていけるところこそ、この仕事のやりがいだと思っています。本店には目的直行ではなく、お菓子を探しに来られるお客様が多いんです。商品数も他店と比べて格段に多いですし、数あるお菓子屋さんの中からわざわざ選んでご来店していただいているので、お客様に満足感を感じていただくお店づくりを心がけています。

Q・そうですよね。今じゃお菓子はコンビニでもネットでも買える時代。そういった状況の中、「村岡屋」さんのような店舗は珍しいし、見たことがありません。
A・カフェスペースやギャラリーがあるお菓子屋さんはあまりないですよね。人と人をつなぐお菓子を選ぶという空間を特別なものにしたのは、先代社長の女性ならではの細やかな気遣いから生まれたと聞いています。先々代社長がビジネスモデルを創り上げ、先代社長が様々なアイデアで魅力を広めていかれ、観光客の誘致活動にも大きく関わられました。

Q・そもそも、池田さんが村岡屋さんに入社した理由は何だったのですか?
A・私が子どもの頃からずっと親戚が家に遊びに来るたび、「さが錦」をおみやげに持って来てくれたんですよ。それが美味しくて、自分でも買いたいと思って店舗に出かけたことがあるんです。その時の販売員さんの優しさが忘れられなかったのが一番の理由です。就職は地元で、と考えていましたし、すぐに佐賀のお菓子とわかるネーミングがついたお菓子も魅力的でした。また、元々人と話すのが不得意で、そこを克服できればと思ったんです。入社して10年経ちましたが、今ではお客様とお喋りするのが楽しみの一つになりました。

Q・「村岡屋」さんといえば、オリジナリティー溢れるお菓子の数々。4月には新商品が登場するとか!
A・焼菓子、和菓子…お菓子の技術をすべて取りいれた創作菓子は、他にはないと思いますし、職人さんによるひとつつひとつの手作業の賜物。その為、新商品開発にはとても長い時間がかかるので毎年登場する季節限定以外での新商品販売は久しぶりのことです。「えびすラング」といって、嬉野茶を混ぜた薄い生地にホワイトチョコをサンドした「うれしいうれしの」、同じように小豆を生地に混ぜ、小豆クリームチョコをサンドした「ほっこりあずきの」と二種類での販売を予定しているサックリとした軽い食感のラング・ド・シャ(クッキーやビスケットのようなもの)です。販売日はまだ未定ですが、ぜひ、楽しみにお待ちください。

Q・「さがファン」でも池田さんたち販売員の方々の想いが、お菓子を通じて伝わるといいなと思っています。今後の目標を教えてください。
A・より多くのお客様にご指名いただける、お菓子のトータルアドバイザーになりたいですね。お菓子の知識だけじゃなく、のし書きに込める日本独特の風習や、季節ならではの特徴など、学ぶことはたくさんあります。本店の会員様は約1000名近くいらっしゃるのですが、まずは全員のお名前を憶えられるよう、頑張ります!

菓子処 村岡屋 池田晴香 さん菓子処 村岡屋 池田晴香 さん
佐賀市内のメインストリート、中央本通りに構える本店。まるでお菓子のデパート!

菓子処 村岡屋 池田晴香 さん菓子処 村岡屋 池田晴香 さん
菓子処 村岡屋 池田晴香 さん
季節のディスプレイやギャラリーなど、目で見て楽しめる広々とした店内。本店はスタッフ7人。常時4人で対応している。

菓子処 村岡屋 池田晴香 さん菓子処 村岡屋 池田晴香 さん
菓子処 村岡屋 池田晴香 さん
セルフサービスの無料カフェスペースは佐賀初の試み。くつろぎながらお菓子選びができ、お客様に大好評だ。コーヒーや徐福茶(健康茶)が選べる。

菓子処 村岡屋 池田晴香 さん菓子処 村岡屋 池田晴香 さん
菓子処 村岡屋 池田晴香 さん
佐賀市役所から支給された、誰でも座っていいという和風ベンチ「さがんばんこ」。白木が眩しい6年半前と比べると、今はすっかり落ち着いた味のある雰囲気。また、佐賀弁で“ほとめく=もてなす”、という意味から「ほとめきマーク」を商工会議所が製作。もてなし処の「村岡屋」さんにピッタリだ。

菓子処 村岡屋 池田晴香 さん
4月に新発売予定の「えびすラング」(140円)。「うれしいうれしの(挽茶)」「ほっこりあずきの(小豆)」の2種類に期待が高まる。



工場外観さが錦
鍋島にある工場。1Fが羊羹など和菓子の製造、2Fが焼き菓子、洋菓子や『さが錦』の製造。工場見学にも団体が多く訪れる。



工場見学直前
清潔な状態にしないと、内部に入ることはできない。



もなかの部屋徹底した湿度管理
工場内は各小部屋にわかれている。各部屋はお菓子に合わせて、コンピューターで湿度温度管理がされている。お菓子はデリケートなのだ。



製餡部屋丸ぼうろ
製餡部屋は一番大きく、もなかの製造は少人数。丸ぼうろは流れ作業だ。



さが錦製造工程1さが錦製造工程2
さが錦製造工程3さが錦製造工程4さが錦製造工程5
「浮島ライン」で焼き上がった浮島は均一の厚さにプレス。バウムの表面にクリームを塗るのは手作業だ。浮島とバウムは粗熱を取った後、次の部屋に移される。



さが錦製造工程6さが錦製造工程7
さが錦製造工程8さが錦製造工程9
バウムのカットは長年の感覚から、サッサッとスピーディーに行われていく。浮島にチョコレートを伸ばし、バウムの帯を並べた板をスライドし、一体化させる様はまさに職人技!


さが錦製造工程10 さが錦製造工程11
さが錦製造工程12 さが錦製造工程13
さが錦製造工程14

個別包装ラインはほとんど手作業、一個一個カットし、器に並べ、パッケージに包まれて出荷へ…すべてにおいてその職人技、早業に驚く。興味のある方は工場見学を申し込んでみてはいかがだろうか?

>> 菓子処村岡屋の商品はこちらからご購入いただけます。




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Posted by さがファンショッピング  at 10:00 │Comments(0)菓子処 村岡屋

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