2023年10月19日
「(有)佐賀の絲」吉原成子さん
(有)佐賀の絲
(株)佐賀工房
代表取締役社長
吉原成子
(よしはらせいこ)さん
2024秋、『SAGA2024 国スポ・全障スポ』初開催!!
これは応援せんばいかんっしょ
3年ぶりの再会となる『佐嘉の絲』の吉原成子社長。前回はコロナ第一波真っただ中にも関わらず、「こげな時こそ発信せんでどがんすう?」と佐賀弁で熱く思いを語っていただいた。そして2021年夏には集中豪雨で佐賀市内が冠水、コロナの影響で佐賀空港の成田線や国際線が休止。観光客も激減したが、“常にチャレンジ”をモットーにひらめきと独特なセンス、そして驚くべき行動力でさまざまな困難を乗り越えていく成子社長のことだ。今回はどんなドラマチックな話が待っているのだろうか。
Q・今年になり、佐賀駅近辺も大きく変わり、まるで別の町みたいです。ずいぶん人が多くなりましたね。
A・佐賀空港で佐賀―上海線が再開したばかりなので、もう少ししたら観光客でにぎわう光景が見られるかもしれんですね。私たちもお土産店『佐賀工房』を市内に3店舗出しているので、売上にてきめんに出るとですよ。コロナの時なんて、売上が前年度比5%の時があったとですよ、あ、5%減じゃなかですよ。でもね、会計士さんが「ここを乗り越えたら強い会社になるから頑張れ!」と言ってくれたとです。その言葉が大きな励みになりました。
Q・たった3年の間に大きな変化がありました。佐賀駅周辺の工事の完成や、駅直結のショッピングモール「コムボックス佐賀駅前」、駅高架下のオシャレなグルメストリート「サガハツ」のオープンなど。駅前のロータリーが大きなテラス席みたいになっていて、若者であふれています。オシャレですよね。中でも一番のトピックは「SAGAサンライズパーク」(SAGAアリーナ)の開業ではないでしょうか。
A・特に今年5月に開業した「SAGAサンライズパーク」!すごくないですか、ここほんとに佐賀ですか?と。施設内の「SAGAアリーナ」のこけら落としにはB‘zさんがくるし、その後にはユーミンさん、そしてNiziUさんと、もう大パニックでしたよね。音楽だけやなくて、プロバスケチームの試合も盛り上がりました。ここ、もともとは2024年に佐賀で国体を行うという大きな目的があって作られたとですよね。
Q・長い間工事していましたよね。今日、初めて外から見てびっくりしたんですよ。想像より大きいし、最先端のデザインだし、いきなり現れる感に、それこそ「え、ここ佐賀なの?」と。でも、駅から歩くとちょっと遠いですよね。
A・知ってます?佐賀県では「歩こう。佐賀」といって、歩くライフスタイルをコロナ前から提案しているんですよ。佐賀といえば、一人一台は車を持っているという感覚ですから、歩くライフスタイルの提案は健康面でいいんでしょうが…いかんせん根付かない(笑)。「SAGAアリーナ」は駐車場に限りもあるし、駅からの公共交通機関も充実させるべきなんですけどね。だってたった、1.6~7キロといっても、25分は歩くわけですよ。特にこの夏の暑さはひどかったですよね。そこを歩くのはかなりきびしかですよ。コンサートの後、バスもなくて歩いて帰る人たちを何回か見ましたが、大雨でびしょぬれになっとったり、炎天下でフラフラになっとったりと、ちょっと、これどげんかせんといかんって思ったとですよね。
Q・さすが、成子社長です。黙ってはいない。市や県などの自治体への関心も強く、ともに佐賀を盛り上げていこうという意志は全然変わりませんね。
A・『佐嘉の絲』では佐賀の素材を使ったオリジナルの商品をイチから開発し、いろんなルートで展開・販売してますけど、関連会社に『佐賀工房』という土産屋を佐賀市内に3店舗構えておりますので佐賀市内のことはこれら店舗を介して気づいたり知見を得ることが出来ます。「佐賀はPRがいまいち…」とよく耳にします。確かに私でも(もうちょい、いい意味で暴れても…)と思うこともあります。自治体と民間が協力できることは少しであろうがさせていただきたい。これが佐賀の一助になればと常に思っています。点ならだれでも作れるとです。それを線にして、市町村超えて、面にせんば。あ、麺やなかですよ(笑)。だから、今回大きなチャレンジをすることにしたとです。
Q・次なるチャレンジ…、それは2024年の佐賀国体、、、名前あらため「SAGA2024 国スポ・全障スポ」ですよね。
A・そうです!!国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会「SAGA2024」が正式名称です。国体って毎年やっていますが、考えてみてください。47年に1回しか回ってこないんですよ。それに、来年から名前が「国スポ」になるとです。もうこのチャンスを逃す手はなかでしょう。全国の視線が佐賀に集まるとです。佐賀の魅力を発信する大きな入口になることは間違いないでしょう。そこで、『佐嘉の絲』『佐賀工房』で協力企業として賛同させていただき、ここ、さがファンでお世話になっている『佐嘉の絲』に至っては、『海苔うどん』を10万円分寄付いたしました。“うどん”なだけに「どーん」と(笑)
Q・しかも、協賛会社になっただけじゃないでしょう。成子社長のことだから、何かまた新しいことにチャレンジしているのでは?
A・当たり前ですやん。新しい商品を今作ってる真っ最中です。協賛会社になると、ロゴが使えるとですよ。そこでロゴを使ったステッカーを思いつきました。『佐賀工房』ではロゴが入ったショッピングバッグ(有料)をもう、すでに配っています。あと、「国スポ」デザインの包装紙も制作しました。
Q・ステッカー?『佐嘉の絲』、『佐賀工房』さんのノウハウを持って、食品ではなくステッカーですか?
A・『佐嘉の絲』は食品メーカーですからね!国スポまでに商品化したいのが一品あるのですが…今は言えません。そう!そう!ステッカー‼これはただのステッカーのわけないですやん(笑)。私たちなりのひねりがあるとですよ。実はこのステッカー、佐賀市の取り組みを形にしたものなんです。今、世界中が取り組んでいる“脱炭素社会への実現”に向けて、佐賀市も「バイオマス協議会」という組織をつくり、循環型エネルギー社会=バイオマスシティを目指しよるとですよ。その協議会には県内外の企業や、大学、自治体が数十社集っています。もう長い事、研究をしよりますね。でも知ってましたか?佐賀がこんな取り組みを続けてることを。知っている方もそうでない方でも全ての方へ「バイオマスシティ佐賀」をPRだ!と考えたのです。バイオマス協議会の方々も多岐にわたってご協力いただきました。これぞさっきの「自治体と民間が協力できること」で、喜びあふれる企画ですよ!ここで「バイオマスシティ佐賀」の部分も一緒にPRするとですよ。
Q・まさに真骨頂ですね。成子社長の“ひらめき”があり、商品一つひとつにストーリーがあり…。
A・そもそも、なんで「バイオマス協議会」に入ったかですよね(笑)。何度も言いますけど、私、佐賀が大好きなんです。佐賀の良い所をみんなに知ってもらいたいとです。だから、市や県の取り組みも知りたいし、業界の違う方々とも交流したいとですよ。「バイオマス協議会」では、再生可能なバイオマスエネルギーを作る過程で、藻類(そうるい)を使っています。その中の一つが、赤い藻、“ヘマトコッカス”です。この赤い藻を粉末状にして、ステッカーのベースとなる和紙に練り込んでるんですよ。
Q・それは…誰にも思いつかないアイデアですね。なぜステッカーにしたんですか。
A・記念品を作りたかったんですよ。そこで、スマホの裏に貼り付けられるステッカーを思い出したとです。お土産として買う方ももらう方も気軽、しかもちゃんと「SAGA2024」のロゴが入っている。スマホだけじゃなく、PCやキャリーケースにも貼れますよね。しかも、佐賀に来ないと買えない。よかでしょう。なんで和紙なのか、赤い粒粒が入っているかは、後で知ってもらえばよかとです。「国スポ」をきっかけに、佐賀をもっと知りたいと思ってくれるようにですね。
Q・ひらめきもアイデアも素晴らしいですが、すごく考え抜かれた上での商品づくりに驚きました。和紙も佐賀の特産品ですからね。
A・そう、手すきで作られている「肥前名尾和紙」は大和町で江戸時代から、300年以上続く、佐賀県重要無形文化財です。その素晴らしさもPRしたいので、「名尾手すき和紙」さんにかけあったのですが、今回はタイミング的に難しいとのことで、筑前和紙でつくることにしました。ヘマトコッカス(赤い藻)は日光に触れると退色するので、色落ちを避けるために袋に入れよう!お年玉の時みたいな、しかも楽しめるポチ袋に!とアイデアが出ました。これは協議会の方と考えあぐねていたときにそれこそひらめいたんです!その時はハイタッチもんでしたよ!そこにお年玉みたいに名前を書けるようにしたいんですよ。
Q・ステッカーにここまでの“佐賀愛”と物語が背景にあるとは…、いつも成子社長には驚かされます。一体何が原動力なんでしょう。
A・佐賀愛は当たり前、もう好きすぎて(笑)。佐賀、佐賀とずっとアンテナを立ててるからでしょうかね、ある日突然、「これよかね!」ってひらめくとですよ。う~ん、元祖アイデアマンの父・文雄が降臨しとるかもしれんです(笑)。やっぱ、こんな仕事しよると、「楽しまな損!」という気持ちは強かですね。そして、私自身が一番大切と思いよるのは「しっかりとした目的をさだめたらちゃんと楽しむ」です。私は大好きな佐賀をPRしたい。その目的はブレません。
Q・2024年の「国スポ」まで約1年となりました。まだまだやること盛りだくさんですね。
A・今、佐賀が一新された状態にあると思うとです。前回、佐賀で行われた国体は1976年(昭和51年)。47年前ですが、その時に佐賀駅も新しくなったとですよ。そして、今じゃ佐賀を代表する名菓と言われている『さが錦』も、当時の国体の際、天皇陛下(昭和天皇)に献上されたんです。そう思うと、国体ってすごかったんだな、と。それぐらい、インパクトがあるんだよという。そこを逃す手はないですよ。でも、このあいだ県の方に言ったんです。「国スポはゴールではないですよ、新たなスタートですよ」って。「国スポ」開催までの準備はかなり大変だと思うし、あと1年で何ができるかですよね。でも、それをゴールにして燃え尽きちゃいかんと思うとです。あくまでも「国スポ」はきっかけで、佐賀全体が変わる素晴らしくも大きな大きな起爆剤なんです。さあ、佐賀を盛り上げていきますよ!!
「SAGA2024」国スポ・全障スポのグッズは、市内であれば購入可能。リーズナブルでオシャレなデザイン。『佐賀工房』のショッピングバッグもロゴつき。
「SAGA2024」国スポ・全障スポを応援するための様々なグッズ(写真は金シールと横幕)。スマホの裏やいろんな場所に気軽に貼れるステッカーもただいま製作中。自分用にもお土産用にも気軽に手に入れられ、身近に佐賀を感じられる。赤い藻(ヘマトコッカス)の和紙への練り具合で、色も1枚1枚微妙に変わる。
「SAGA2024」のロゴを入れた、スペシャル「丸ぼうろ」。これは話題になるし、お土産にはもってこいだ。また、国スポ仕様のスペシャル包装紙も制作。
『佐嘉の絲』充実のオリジナル商品。先日、テレビ番組で『佐賀牛味噌』がとりあげられ、飛ぶように売れたとか。商品には成子社長による手作りレシピカードがついている。『佐賀工房』バルーンミュージアム店には随時2,000点以上のアイテムがそろい、お土産以外にもおいしい食やグッズがいっぱい