2021年12月17日
「イデマン」鶴 恵美子さん
イデマン味噌醤油醸造元
(井手食品有限会社)
鶴 恵美子さん
一番人気“ごま和え胡麻”の進化形
『トッピングミックス』が2月新発売!
今年の『さがファン 店主訪問記』のしめを飾るのは、吉野ヶ里町で124年続く老舗味噌・醤油屋『イデマン』さん。店主の鶴さんは、佐賀の地域密着情報サイト『さがファンブログ』で『吉野ヶ里の醤油屋おかみのブログ』を毎日更新。記事を書き続けて12年目、常に人気ランキングのトップを走り続けている。4代目当主であり、主婦の目線から見た”うちごはんを美味しく楽しく簡単に”をコンセプトに商品開発、得意のデザイン力を生かした手作りのパッケージ制作に、筆文字ギフトサービス、そして全国を飛び回って営業、イベント企画まで、何でもこなす“スーパーおかみ”、鶴さん。いつも訪問の度に驚かされるが…?
Q・店内はいつもジャズが流れていますが、今回はクリスマスソングですね。しかも、鶴さんおなじみのショートヘアも、赤と緑のメッシュが入っていてステキです!
A・クリスマス限定カラーにしてみました(笑)。展示会に行く度に、関係者につっこまれるんですが、覚えていただくのは嬉しいですね。でも、こういったヘアスタイルで昨年までPTA会長を務めていました。校長先生には「イデマンの広告塔の仕事もしなきゃいけないので」と先に断って、お許しを得てました(笑)。
Q・最高ですね(笑)。“日本のソウルフードの味噌・醤油”をベースにした、さまざまな万能調味料はもちろんのこと、パワフルな鶴さんのファンは多いと思いますよ。
A・ありがとうございます。今はPTA会長を退任し、今年から教育委員を務めさせて頂きながらおかみ業をやっています(笑)。「代々祖父から続く老舗の暖簾を守りたい」、「若い方の味噌離れを防ぎたい」、「忙しいお母さんたちのお役に立ちたい」という思いでやって来ましたが、やはり「子どもたちに安心・安全で身体に良い、美味しいごはんを食べさせたい」という思いが強いんですね。それらが現在の『イデマン』の原動力になっています。
Q・『おかみブログ』やSNSでは、日々のお弁当が本当に美味しそう!特に麹を使ったお弁当は素晴らしいですね。鶴さんは大変お忙しいのに、子どもたちのお弁当づくりを欠かさないという点が素晴らしい…。
A・そうですね。発酵食ブームということもあり、麹は常に人気があります。月一回(9~5月)のお客様販売用の麹の予約ですぐにいっぱいになってしまいますが、地方発送も行なっています(※「さがファン」では取り扱っておりません)ので、お気軽にお問合せください。子どもたちもブログを初めた2009年、『さがファン』に出店した2014年からずいぶん成長しました。長男は大学生になり、車の免許を取得して、今まで私が行っていた長女や次女の塾の送迎もしてくれるようになったんですよ。それがとっても助かっています。でも3人とも変わらないのは、学校から帰ってきたら「ただいま」と言う前に、「今日のごはん何?」なんですよ(笑)。そんな毎日の食事やお弁当のメニューの中で子どもたちが”美味しい”って言ってくれたおかずはリピります(笑)。
また、ブログやSNSを見てくださったお客様から「お弁当はどこで売っているんですか?」という問い合わせもいただきまして…ありがたい限りですが、今のところお弁当を販売する予定はございません(笑)。
Q・お弁当もプロレベルですもん、お客様の気持ちもわかりますよ~。新商品開発の度に子どもたちがご意見番になってくれた話もずっとお聞きしていました。頼もしいですね!私も時短料理には万能調味料が欠かせません。今の季節は『お鍋だし』ですね!
A・鍋料理だけではなく、おでんや煮物、もつ鍋、茶わん蒸しにお吸い物、また炊き込みごはんにうどんのスープ…となんでもできちゃうのが『お鍋だし』です。万能でしょう?『お鍋だし』は、国産かつお、北海道昆布、ほたて、阿波尾鶏の地鶏エキスの4種のだしのエキスが詰まっています。8倍濃縮なので人数や具材の量を問わず、いつも安定した美味しい味が楽しめますよ。また濃縮だからおトク感もあります!
Q・鍋以外にもいろいろ使えるんですね!知らない方も多いと思います。万能調味料は、鶴さんのアドバイスやレシピがあると、魅力がグンと何倍にも増しますよね!
A・ぜひ、『吉野ヶ里の醤油屋おかみのブログ』をご覧ください。商品別にレシピを紹介しています。レシピといっても手の込んだものではなく…そもそも、時短調理のために生み出した商品のレシピですから、毎日の調理が「手軽に簡単に美味しくなる」ためのちょっとしたアドバイスばかりです。忙しいお母さんにはもちろん、すぐに誰でも取り入れられる情報が満載ですので、ぜひお試しになってください。
Q・コロナ禍で“おうちごはん”の時間が増えました。今こそ『イデマン』さんの万能調味料が、幅広い方に役立つ時が来たのかなと思っています。ブログでもレシピを紹介されていますね!
A・今は便利な時代になりまして…、『おかみブログ』も“記事も積もれば宝となる!”をモットーに書き続けて今年で12年目になります。当初はブログ全盛期でしたが、今はFacebookやInstagramなど、無料で個人発信できるツールもあります。でも、月1回発行のちらし「イデ萬新聞」もコツコツと発信しているんですよ。今年の12月で134号となりました。地方、都会に関わらず、アナログ発信もとても大切だと思っています。色々なSNSでイデマン調味料の使い方を発信していますので”おうちごはん”のヒントになれば…と思っております。
Q・ちょっと前置きが長くなってしまいましたね。今日は来年2月に満を持して新商品『トッピングミックス』が発売されると聞いて取材に来たんでした(笑)。
A・そうでしたね(笑)!その名も『トッピングミックス』です。じゃじゃ~ん!人気No.1商品『ごま和え胡麻』をベースにした新商品で、フライドオニオン&パセリとフライドガーリック&バジル、れんこん&えごまの3種類あります。『ごま和え胡麻』の仲間が新たに増えましたが、コチラは仲間…というより、“進化形”と位置付けています!
Q・あれ、これは2年前、前回お伺いした時にもお聞きした商品ですよね。あれから『とまとみそペーストシリーズ』は人気商品となりましたが、コチラは…?
A・実はお蔵入りになっていたんですよ。文字通り、倉庫で1年半ほど眠っていたんです。というのも、いつもアイデアが浮かんだら試作品を作り、何度も試行錯誤を繰り返します。その度に「これはいける!」と思うのですが、その後が大変なんですね。つまり、商品化する、流通ベースに乗せるというのは、思った以上に大変なんです。
Q・そうですか。前回はもうすでにネーミングもパッケージも決まり、あとは世に出るのを待つのみ、だったことを思い出します。それから1年半以上もかかったんですか!
A・そうですね。そう思うと前回の店主訪問記ってレアですよね。もちろん、放置していたわけではないんです。当時、試作品の原料は手に入りやすかった外国産のものを使っていました。もちろん、味は美味しかったのですが、自分の中で、世に出す時は佐賀県産のものを使いたいという思いが強かったんです。フライドオニオン&パセリについて言うと、オニオン=タマネギは白石町が有名ですよね。だから当時はできると思っていたんです。でも探したところ、タマネギの生産者はたくさんいらっしゃるんですが、タマネギを油で揚げてチップ状に出来る加工業者さんがいらっしゃいませんでした。
Q・それは誤算…?というかこだわり…?というか…?
A・どっちもです。『トッピングミックス』は『ごま和え胡麻』がベースですので、健康&美容を意識しながら、さらにフレーバーが豊かになり、いろんな料理に使える可能性を持った商品です。外国産でも国産、県産でも販売は出来たかもしれません。でも自分の立場としてどうしても佐賀県産でつくりたいという思いが拭えず、いろいろ考えている間、ほかのプロジェクトも進んでいってしまって…。
Q・そうだったんですね。それで、今回やっと日の目を見ると…。
A・はい。これもご縁なのですが、今年6月に佐賀県が、県内の食品加工業者の販路開拓などを後押しする「ブラッシュアップ支援事業」に参加を公募されたんですね。そこで、応募しました。なんと無料でチャレンジさせてくれたんです。佐賀県としては今、ある佐賀のお宝をより周知させたいという思いで立ち上げた事業で、私たちは“ブラッシュアップ”の手段として、すでにできている商品の原料(加工済)を外国産から県産に変えるというテーマにして、この事業計画に挑戦したんです。
Q・佐賀県による全国への特産品PRの取り組みは目を見張るものがあります!
A・そうなんですよ。そういった取り組みは私たちのような小さい会社にはとても有りがたい事なんです。今回は県の農家さんや加工業者さんなど色々ご紹介頂き、さすが県のスタッフさんだなーと思いました。全国で行われる商談会や展示会でも、私たちの会社の規模だと費用がかかってなかなかブースは出せません。だからまとめて「佐賀県」のメーカーとして出店させて頂いて、都心の百貨店のバイヤーさんなどの目に留まるわけです。ですので、今回は県の力を借りて県産の原料を探しましたが、残念ながら県産の原料(加工済)は見つからず、国産に落ち着きました。
Q・なるほど。佐賀県は原料の宝庫でも加工まで手がけるところはないという現状がわかったんですね。『イデマン』さんの加工工場でやろうとは思わなかったんですか?
A・そうよく言われました。自分のところでやればいいのでは…、って。でも、油で揚げるという加工は量が多くないとコストもかかるし、手間もかかるんです。例えば、フライドガーリック&バジルをつくる際、”油で揚げる”という工程は出来てもその後、しっかりと油を切らないと今回の商品には使えません。それでコスト面も考え、佐賀県のスタッフの方と話し合った結果、まずは国産で行こうと。それで、量が出るようになったら県産も考えようという話になりました。
Q・以前の計画よりもパッケージが小さくなり、手軽なサイズになりましたね。
A・計画当初から2年以上たって商品化した本当の理由は、賞味期限を自分の舌を持って確かめるという思いもありました。商品開発する度に子どもたちに味見をしてもらうのですが、今回、試作して1年経ったものを食べて酸化しているかを試してみました。すると「意外と美味しい!」と(笑)。賞味期限の基準って「美味しく食べることができる期限」なんですが、そのための根拠として商品は外部の検査機関に出しますが、味だけは自分で食べてみないとわからないんですね。そんな検査のもと、今回の『トッピングミックス』は賞味期限を半年に決めました。
Q・これが、『イデマン』人気No.1商品『ごま和え胡麻』の進化形商品『トッピングミックス』ですか…(香りをかいで試食→感想は下記の写真コーナーへ)。
A・肉料理やサラダにはピッタリですね。佐賀のご当地グルメといえば「シシリアンライス」ですが、サラダとお肉の美味しさを一緒に味わえるので、もう相性バッチリですよ。あとはお好みで何にでもトッピングしてご利用いただきたいと思います。発売日が決まりましたらレシピアイデアを徐々に『おかみブログ』で紹介していきますので、是非チェックをしてくださいね。
Q・発売は来年の2月ですね!楽しみにしています。みなさん『おかみブログ』やSNSをチェックしてください。また、実店舗で人気沸騰中の『金ごま使用 海鮮丼のたれ』も新登場しました!
A・そうそう、ありそうでなかった商品です。これも既存商品の「ごまだれ」をリニューアルした商品ですが、「手軽で美味しい!」と好評なんですよ。佐賀県産丸大豆しょうゆをベースに、皮をむいたゴマの中心部分のみを使用したなめらかな“ねりごま”をたっぷり使いました。香りが強い金ごまもプラスしています。パッケージも金のラインがあってゴージャス感があるでしょう(笑)。ほかほかの炊き立て白ご飯にお刺身を乗せて、『金ごま使用 海鮮丼のたれ』をかけるだけ!途中からお出汁を注げば2度美味しいというスグレモノです!食欲ない時はとろろご飯、またお豆腐にもオススメです。
Q・スーパーでお刺身を買って帰るだけ、という手軽さがいいですね。まだまだ、今は明かせない計画も盛りだくさんだとか…?
A・そうなんですよ~!実はまだ新商品が発売されることがもう決定しておりまして…でもコチラは今(2021年12/1現在)、一切情報を出せないんです。でも、商品も動画も出来ていまして…(さがファンスタッフに披露)、新しいでしょう!?今まではお母さんや子どもに合わせた商品が主でしたが、今回は大人目線の今までにない商品です。これで、新しいファンの獲得を目指しているんです。こちらは『Makuake』というクラウドファンディング(資金を募らないチャレンジ商品をPRするサイト)にてお披露目する予定です。いつお披露目するかは『おかみブログ』でお知らせいたします!
Q・おお~、これは…もはや『イデマン』さんが味噌・醤油屋だということを忘れてしまう、オシャレすぎるパッケージにかゆいところに手が届く商品!しかも健康のことを考えて原料も厳選されている~!これは反応が楽しみですね。動画観てるとお腹すいてきましたし、今日も鶴さんに元気をいっぱいいただきました…ありがとうございました!
A・人気商品は嬉野温泉の『和多屋別荘』や渋谷PARCO(パルコ)の『Discover Japan Lab.』、福岡六本松の『六本松蔦屋書店』、熊本 蔦屋書店の『三年坂マルシェ』、COMBOX佐賀駅前の『SAGAMADO』、九州佐賀国際空港『Sagair』など方々に置いていただいています。お近くにお住まいの方々は吉野ヶ里まで来なくても大丈夫です(笑)。オシャレスポットで『イデマン』の商品たちに出会ってきてください!
ついに登場する3種類の『トッピングミックス』。フライドオニオン&パセリはタマネギの香りが食欲をそそる。フライドガーリック&バジルは、ニンニクの香りがガツンと強く、ステーキ等肉料理の塩コショウの代わりにもピッタリだ。れんこん&えごまは3つの中で一番、野菜感が強く、どの料理にも違和感なく溶け込む。『海鮮丼のたれ』は家で手軽にお店の味が実現!
人気No.1の『ごま和え胡麻』はビタミンEが豊富なアーモンドとサバ節がギュッと詰まった健康&美容に抜群の万能ふりかけだ。『ごま和え胡麻 ねぎじゃこ』など仲間が勢ぞろい。『とまとみそペースト』は『イデマン』の無添加手作り米みそと『とまと屋ファーム江島』さんの完熟川副とまとのコラボ商品
おにぎり型の容器がかわいい!4種類のふりかけ『おにぎりご飯』は、全国の雑貨屋さんやおみやげ屋さんを中心に展開しています。センスの良い人への贈り物にぴったり
「筆文字名前ポエム」も大人気!3月の卒業シーズンは注文が殺到するので、ご興味ある方はおはやめに『おかみブログ』へお問合せを。毎月発行の「イデ萬新聞」など、温かみあふれる手作りちらしも支持される理由だ
国道385線沿い、山々に囲まれた美しい平野にたたずむ『イデマン』。この環境こそが美味しい味噌・しょう油、たくさんの調味料を生み出している
取材:森泉敦子