ソウルフードが更なる飛躍へ！
すべての行動は〝暖簾を残すため〟

　「あったらいいな」をモットーに、しょう油・味噌をベースとした調味料を開発し、忙しいお母さんをはじめ、健康を気にする人々など幅広い層から支持が集まる『イデマン』さん。吉野ヶ里町で百余年続く老舗しょう油屋の暖簾を守りつつ、新しいことに次々挑戦、『おかみブログ』が大好評の4代目・鶴さんが、ソウルフードである味噌をアスリート監修の下、3年がかりでエナジーフードとして商品化！　スポーツ界でジワジワと盛り上がり始めたウワサの『エナジー味噌　飛脚』の開発秘話を伺ってきた。

Ｑ・今度の新商品は画期的ですね！えっ、味噌とスポーツ…？
Ａ・通常、新商品開発は自分のアイデアやお客様の声、食材メーカー、容器メーカーさんの声も取り入れながら年に1回を目指して行っていますが、今回は不思議なもので…。約4年前、トレイルランナーでもあり、関東で鍼灸師を営んでいる方がふらっとお店に訪れて、身体に良い味噌をレース中でも気軽に取り入れたい、と相談に来られたんですよ。ネット検索の末、うちの『はちみつみそ』に関心を持たれたそうなんです。

Ｑ・『はちみつみそ』は鶴さんが「毎日お味噌を口にしてほしい」と調理用に開発した商品ですよね。
Ａ・そこで、そのまま口にするのは口当たりが重く、『はちみつみそ』を改良して、新商品をつくれないかという話になりまして。最初はびっくりしましたよ。え？山走るの？そんなスポーツあるの？（笑）と。ただ、ちょうど私も今後の商品展開を考えている時でもありました。調味料を調味料棚に置くだけでは限界があるな、例えば雑貨屋、パン屋…調味料と別の世界との出会いがあれば、と。そんな時に、スポーツ業界への道が偶然にも出来たんです。これはチャンスだしチャレンジだなと思いましたね。

Ｑ・開発まで3年かかり、今ジワジワとスポーツ界で盛り上がり始めているようですね。
Ａ・トレイルランナーの方の監修のもと、あれこれ試して昨年5月、『エナジー味噌　飛脚』の商品化にこぎつけました。まず、口当たりを良くする為に黒酢を入れようと市販の黒酢をあれこれ試し、最終的に落ち着いたのは、鹿児島県福山産の3年熟成黒酢です。こちらは私が直接、醸造所に出向き、監修者さんも納得の上で決めました。難しかったのは配合ですね。原材料は熟成無添加みそと九州産百花蜜、そして黒酢のみ。味が決まったら次はパッケージです。普段は既存の容器を使うことが多いんですが、コチラはオリジナル。サッと携帯でき折り曲げられるスマホサイズで、最もこだわったのが細い口なんですよ。

Ｑ・新しいですよね！マラソンや山登りの専門誌にも数々取り上げられて、全国のスポーツ用品店やイベントでも販売しているそうですね。
Ａ・新しすぎて、通常の商談会でアプローチは難しいんです（笑）。ありがたいことに、監修者の方がイベントの際に広めてくれたり、口コミで広がって行ったり、現在全国で取り扱ってくれるスポーツ用品店さんが増えている状態です。続く『梅蜜エナジー　雅』も『エナジー味噌　飛脚』をヒントに開発しました。

Ｑ・実際にアスリートの方々の反応はいかがですか？
Ａ・それが私、スポーツ全然しなくって（笑）。私は走れない、監修者さんはつくれない…だから情報を補い合い、時間をかけて商品開発していきました。今後はどう広めていくかが課題です。現在、アスリートの方々に実際試していただき、レビューを書いていただく専門サイトを作っている最中です。また、レースの時に使用した感想をブログに書いてくれるアスリートの方も多くなってきて、なかなか好評のようです。こちらは『おかみブログ』でリンクを貼り、紹介させていただいています。

Ｑ・どの視点からPRしていくか、ですね。料理視点でも面白そうです。
Ａ・九州産の百花蜜と大分県大山町産のしそ梅を合わせた『梅蜜エナジー　雅』は、私としてはスポーツというよりキッチン、そしてオフィス狙いなんです。梅自体って買うと高くて、梅肉にするにも手間ひまがかかる。かといって、安い梅チューブは使いたくない…。そんな方には『梅蜜エナジー　雅』をぜひ使ってほしいですね。まず、モノの良さ、美味しさは保証します。またオフィスにちょっと持って行って、お湯に薄めて溶かして飲んで楽しむなど、仕事のお供にも最適ですよ。パッケージも味噌とは違って女性視点のモノにしました。

Ｑ・夏場の食欲不振の時にも役立ちそう。My梅チューブ、My味噌としてバッグにしのばせる人が出てくるかも。
Ａ・実際、『エナジー味噌　飛脚』はレース時のリュックのポケットに入れやすいよう、容量を2サイズで展開しています。スポーツ界では新しいモノが受け入れられやすい風潮にあって、アスリート同志で情報交換も盛んに行われるらしいんですよね。ですので、エナジー味噌が受け入れられつつあるんだと思いますが、うちはスポーツ専門メーカーじゃないので、また新しいモノが出てきたら消えてしまう可能性だって十分にあります。ですので、レース中のエイドにあるおにぎりにちょっとつけるなど、使い方も提案しています。また、ゼリーなどエネルギー補給食って甘いものが多いんですよね。そこで、美味しく食べられるよ、という点もPRしていこうと思っています。

Ｑ・これからが楽しみですね。鶴さんの商品開発のモットーは「あったらいいな」ですが、実現までに徹底していることって何ですか？
Ａ・アイデアは周りが持ってきてくれるので、実現化においては、とにかく食べ続けることですかね（笑）。例えば『たまごかけしょうゆ　粋』は一日3食、卵かけごはんを食べても飽きず、まだ食べたい、と思ったので商品化しました。また、商品化して1年で、人気№2商品となった『からあげだれ』は、からあげとうたっているものの、チャーハンや生姜焼き、野菜炒めなど幅広い用途に使え、その情報をレシピにして『おかみブログ』で発信しています。『からあげだれ』は、全国のハローデイ50店舗で発売しているんですよ。

Ｑ・人気№1、『ごま和え胡麻』は何にでも使っていますよ。『万能煮物しょうゆ』、これも楽チンですよね。鶴さんのプロデュース力はやっぱりスゴい！
Ａ・実はそんなに大変なことではないんですよ。最初から「売れる商品をつくろう！」と思ってやっているわけではないので、今、50アイテムぐらいありますが、途中で消えて行った商品もあります。『万能煮物しょうゆ』、実はベテラン主婦の方にも好評なんですよ。『焼肉のたれ』は味噌のたまり汁を使っていますし、『ゆずポン酢』はゆずごしょうを作っている方が使わない実の部分を捨てていたので、もったいない、という思いから商品化。『ごま和え胡麻』はテレビ番組、『れんこんみそ』は佐賀大学とのコラボ商品。使用する食材については、食材メーカーが情報を持って来てくれますし、自分で探すこともあります。

Ｑ・『イデマン』さんの魅力は製造から加工、販売まで一貫体制で行っているところですよね。一体、鶴さんはいつ休んでいるんですか？
Ａ・仕事の合間に手がけている、「筆文字名前ポエム」もご好評をいただいていてありがたい限りです。一応、私の本業は「しょうゆ屋の4代目おかみ」なんで（笑）。『イデマン』はスタッフ4人、経理1人と少数精鋭。味噌、麹の仕込みも同業者にアドバイスをもらいながら、効率・品質ともに良い方法を常に改善しながら行っています。前回の店主訪問記でもお話しましたが、寝ている時以外は何かしらやっている…というか、止まるとマグロみたいに死んじゃうんですよ、私（笑）。全国各地での食材の展示会でも率先して動きまわります。味噌作り等の地域でのイベントも積極的に行いますし…何のために？と問われたら、やっぱり最終的には「暖簾を残すため」なんですよねえ。楽しさが一番ですけどね！

Ｑ・地域（吉野ヶ里町）の情報発信拠点にもなっていますよね！
Ａ・そうなんですよ。最近、吉野ヶ里歴史公園にいらっしゃる外国人観光客も多いんです。また昨年9月に出来た、農産物直売所『吉野麦米（よしのばくべい）』のカフェとのコラボで「しょうゆソフトクリーム」をつくったばかり。バニラアイスにしょうゆをかけ、その上にふりかけをトッピングしました。『ごま和え胡麻』と似た要領でつくったのですが、アーモンド、しょうゆの味付けをしたゴマ、フリーズドライの味噌にスーパーフードのカカオニブをフレークにした『SWEETS FURIKAKE』が今月から販売開始です！カカオの風味がスイーツにピッタリで、アイスやヨーグルトにかけると美味しいんですよ！

情報発信においては、すべては『さがファンブログ』から始まったこと。2009年から始めて、毎日の記事の積み重ねが力になることを本当に実感していますね。「塵も積もれば…」といいますが、まさに「記事も積もれば、宝となる」です。今後もよろしくお願いします！

スポーツ界から火がついた『エナジー味噌　飛脚』（75g・130g）と『梅蜜エナジー　雅』。商品をチョイスでき、送料込み（ゆうメール）でお得な『5個パック』もオススメ

『ふりかけシリーズ』に今月から新商品『SWEETS FURIKAKE』が新登場！スーパーフードのカカオニブが入った注目の逸品。写真右は3代目、昭和の頃のちらし。この商品たちがベースとなっている。明治頃のねじ式しょうゆ瓶はお客様が持って来てくれたそう

人気№１、どの料理にふりかけても美味しい『ごま和え胡麻』（40ｇ～470ｇ）。特製塩麹を使用した万能ダレ『からあげだれ』は人気№2。レシピは『おかみブログ』をチェック！

全部で10種類の商品から選べるギフト『贈心（おくりごころ）』は『5本セット』、『10本セット（2箱組）』。手頃なサイズでお試しにもピッタリ

おかみが描く、温かみあふれる「筆文字名前ポエム」も大人気！好きな動物やキャラクター、職業に応じたイラストも描いてくれる。注文は『おかみブログ』から

木を基調とした店内はジャズが流れ、明るく開放的。情報の発信地でもあり、地元の人々が集う憩いの空間にもなっている

国道385線沿い、山々に囲まれた美しい平野にたたずむ『イデマン』。この環境こそが美味しい味噌・しょう油、たくさんの調味料を生み出している

>> 「イデマン」さんの商品はこちらからご購入いただけます。

取材：森泉敦子