2012年09月29日
マルボーロ本舗「北島」北野 澪さん
マルボーロ本舗「北島」
北島本店
北野 澪さん
改めて知ったマルボーロの存在感
大好きな佐賀から良さを全国発信へ
佐賀を代表するお菓子屋さん「北島」。「さがファン」でもオープン当初からこの7年間、ずっと売上がトップという偉業を成し遂げ続けている。316年の歴史を持つ「北島」さんにとって、7年というのは大きな時間ではないのかもしれない。常に「変化しないこと」に対する安心感を保つ「北島」さん。しかし前回のインタビューから1年5カ月。不思議な変化が起きた。「マルボーロの北島」ではなく、「マーガレット・ダ・マンドの北島」として話題が広がっている、というのだ。5回目は若手の通販担当女性にインタビュー。
Q・この1年、「マーガレット・ダ・マンド」が全国的に話題になっているそうですね。
A・去年の秋ごろ、雑誌「婦人画報」のお取り寄せ企画でご紹介いただいてから、お問い合わせが今までの倍以上になりました。それから、有名人の方がブログで紹介いただいたり、とどんどん話題が広がっていって驚いています。福岡のお客様が、「婦人画報」の編集部におみやげとして持っていったことがきっかけと聞いています。
Q・「真実の愛」という花言葉を持つマーガレットのかわいらしさも評判の一つですね。
A・はい。また、花びらをカットしたらハート型になると紹介されていまして、お客様は圧倒的に女性が多いですね。「マーガレット・ダ・マンド」は「マルボーロ」「花ぼうろ」に続く、「北島」の看板商品なのですが、ほとんどが地元・佐賀でギフトや結婚式の引菓子に使われていました。ですので、花びらをカットしたらハート型になる、というような提案はこちらでは全くしていなかったんですよ。さすが有名誌だなあと思いました(笑)。
Q・そもそも「マーガレット・ダ・マンド」はいつ誕生したんですか?
A・「マーガレット・ダ・マンド」は昭和57年から製造が開始されました。小麦粉の使用を極限まで控え、アーモンドを細かくくだいた粉とフレッシュバター、新鮮な鶏卵にコニャックを加え、焼き上げます。「北島」ではアーモンドを使ったケーキも多いのですが、「マーガレット・ダ・マンド」はそれの究極形。コニャックにおいては、私どもの会長がお伺いしたことがきっかけで、名門ジャンフィーユ家秘蔵のものを使用しています。その最高級のコニャックにぴったりな最高級の生地を、と考え出されたケーキなんです。
Q・口どけがよく上品で、アーモンドの香ばしさがたまりませんよね。ちょうど10月1日から常温販売になるんですよね。
A・はい。いままで「マーガレット・ダ・マンド」は冷蔵保存をお願いしていましたが、
常温でも品質が保てることが判りました。
10月からは常温販売で、賞味期間も1週間から10日間に伸びます。
夏の期間だけは、発送中 高温なることを避けるため、クール便でお送りします。
昨年は、お歳暮のギフトでとても好評でしたし、
ますます贈り物として、お使いになりやすいと思います。
Q・ネット販売において体制がきっちり整っている「北島」さんですが、1年半前と比べて、変わったことはありますか?
A・通販スタッフが6人から8人に増え、随時3人体制で担当しています。一番大切にしているのは、スタッフ間の連携ですね。情報をしっかり共有しておかないと、相手は顔の見えないお客様ですから、ちょっとしたことが誤解を招いてしまいます。私は小城出身で、高校卒業後、地元の会社に就職したいと思っていました。そこで、地元に根付き、安心感のある弊社に入社を決めたんです。入社して4年目ですが、あらためて「北島」の存在感、そしてやはり安心感を感じています。
Q・最初は店頭に立つことからスタートするんですよね。現在、顔の見えないお客様と接する上で気を付けていること、やりがいなどあったら教えてください。
A・通販の受付という仕事は、ただ注文を受け、商品を発送する、というだけじゃないんですよね。全国からお電話をかけてくださる、メールを送ってくださるお客様は、ほとんどが佐賀出身の方、または、親戚や友人が佐賀の方なんです。電話で佐賀の想い出話をされる方も多いんですよ。お店に通っていただくお客様と同じで、名指しでお電話をいただく方もいらっしゃり、とても嬉しいですね。8人とも北島の代表ですが、8人とも個性はやはり違います。ですので、私としては理想ですが、通販も顧客対応で体制がとれたらいいなと思っています。顔が見えないからこそ、耳が敏感になりましたね!お客様の口調から表情が想像できるようになり、それが笑顔なのかなと想像するととても嬉しいです。
Q・「マーガレット・ダ・マンド」のお問い合わせも多いでしょう?
A・面白いことに、「婦人画報」から広がったお客様は、「マルボーロ」のことをご存知ないんです。「マーガレット・ダ・マンドの北島」と思われている方がほとんどで、そういった新しいお客様に「マルボーロ」を説明するのに今、必死です(笑)。私はずっと佐賀ですし、「マルボーロ」は身近にある当たり前のお菓子。でも全国の方って「マルボーロ」をご存知ないんですね! これは勉強になりました。ですので、まず「マルボーロ」の形や味はもちろん、歴史についてもしっかりお客様に伝えられるように、今勉強中です。
Q・長い歴史を持つ「北島」さんですが、ここ1年で大きく変わりましたね!
A・はい。改めて「マルボーロ」の存在感の大切さを感じました。あくまでも「北島」は「マルボーロの北島」ですので、今後も「マーガレット・ダ・マンド」を含め、いろんなお菓子を共にPRしていきたいですね。そして、お客様にとってはたとえ電話上でも、居心地の良い場でありたいと思っています。私自身が、地元佐賀が大好きで居心地の良さから抜けられないんですよ(笑)。そんな空間を程よい距離感で、お客様と共有したいですね。
「北島」過去の店主訪問記はコチラ
■工場長 古河 義継さん(2005年9月)
http://story.sagafan.jp/e738959.html
■工場長 古河 義継さん(2008年3月)
http://story.sagafan.jp/e738988.html
■北島本店 弟子丸宏美さん(2009年12月)
http://story.sagafan.jp/e739009.html
■北島本店 江川美予子さん(2011年5月)
http://story.sagafan.jp/e358646.html
花言葉は「真実の愛」。口コミで話題になりギフト注文が多いという「マーガレットダマンド」。アーモンドの香りが香ばしく、優しい味だ。見た目にも癒される
マルボーロの生まれた地、ヨーロッパをイメージした、ブルー&イエローが北島カラー。
白山町本店には工場が隣接されている
開放的で高級感あふれる店内。取材をしている間も、平日だというのにお客さんの足が絶えることはなかった
丁寧な接客が印象に残るスタッフの皆さんの素顔は気さく。「店頭でもお待ちしております!」
店内では一連の製造工程を描いた映像をモニターで観ることができる
カップにミルクを注ぎ、レンジで温めるだけでできる「マルボーロプティング」は北島独自の提案。プティング用のカップ&ソーサー(有田の深川製磁のもの!)も販売

色鮮やかで美しい和菓子は、1個から販売している。他の焼き菓子もバラ売りで売ってくれるのもうれしい
本店の前、白山名店街の入口は江戸時代初期に創始された佐賀独特の染色品・鍋島更紗の発祥の地の碑が建っている
本店の真横を通る白山商店街は、かつての長崎街道~シュガーロード。ここを通って異国の情報や砂糖を含む物資が運ばれていき、全国に広がっていった。商店街を抜けると歴史民俗館のある街道に出、そしてずっと小倉まで続く
「食べられない丸ぼうろ」として登場したキャラクター、マルロー君。小さいお子様に人気で、親近感あふれる店内づくりに一役買っている
>> 北島のマルボーロの商品はこちらからご購入いただけます。
マルボーロ本舗「北島」江川実予子さん
マルボーロ本舗「北島」弟子丸宏美さん
まるぼうろの北島 古河 義継さん(工場長)
丸ぼうろ:古河 義継さん(株式会社 北島 工場長)