店主訪問記

2012年03月31日

JAさが たらみかん 北島淳一さん

JAさが たらみかん 北島淳一さん
JAさが
たらみかん

北島 淳一さん

佐賀最南端の太良町から、
一番早く季節の味を全国にお届け

 春の有明海はじつに穏やかだ。海苔漁業も終盤に入り、国道沿いに並んだカキ小屋の光景もずいぶん落ち着いて見える。海苔漁業やカキ、ほか有明海独特の幸をはじめ、全国のグルメから熱い視線が注がれる竹崎ガ二…。太良町が一番元気なシーズンはまぎれもなく冬なのだが……久しぶりに訪れた「JAさが たらみかん」さん。みかんのシーズンを終え、のんびりとした中お話を伺うと、どんどん新しい季節の味が生まれゆこうとしていた。



Q・前回の訪問は晩秋でしたのでまさにみかんのシーズンの真っただ中。お忙しい中お話を伺ったのを覚えています。今年、シーズンを終えていかがでしたか?
A・やはり昨年の“高温多雨”がこたえましたね。全体的に見て量は多くありませんでしたし、何よりも品質がよくないものが多かったシーズンでした。ここ、たらみかん選果場では以前もご紹介しました通り、最先端の技術を備えた選果システムで、みかんの糖度や酸度を光センサーで判定し、画像処理装置で色、傷、サイズ、そして甲高、扁平度まで測定し、それこそ選ばれしみかんを全国に発信してゆくんです。しかし、今シーズンは機械にかけるまでもなく、収穫の段階で厳しいものがとっても多かったんですよ。


Q・市場に出せるものが少なかったというわけですね。太良みかんは全国のみかんどころより出荷が早いのが特徴でしたよね。
A・市場に出すみかんのサイズは大体がM・Sサイズです。今回多かったのは、生理現象によってみかんが木から落ちることが多く、その分、木に残ったみかんに栄養分が行き、大きなサイズのみかんが多くなってしまったんです。また日焼けしてしまうみかんも多かったですね。太良みかんは、9月から極早生(ごくわせ)、10月には早生(わせ)みかんを出荷しますが、こういった太良特有の“早熟系”みかんが大分少なかったんです。前年度に比べて70%ほどの量しか出荷できませんでした。


Q・前年度に比べて70%というとそこまで少ないイメージはないのですが、内情としてはどうなのでしょう?
A・その前年度も悪かったんですよ。猛暑はここ2年続いているでしょう。なので、悪かった前年度に比べて70%と思ってくだされば…。でも実は私たちみかん業界では、「みかんは表年と裏年の繰り返し」というジンクスがずっと昔から通っているんです。悪かった前年度は裏年だったので、今シーズンは表年のはずなんですけどね。結果、9~10月の早熟系みかんは少なかったですが、11~12月出荷の普通みかんは前年度よりも多かったんです。プラマイゼロとまではいかず、やはり全体的に平均より量は少なかったですが、振り返れば、表年だったのかなと思いますよ。


Q・さて、みかんが終わったらデコポンですね。でもこちらも3月いっぱいで終わってしまいます。シーズンオフはどんなことに取り組んでいるんですか?
A・実は「JAさが たらみかん」が扱っているのは柑橘だけじゃないんですよ。今、みなさんに一番おすすめなのが、新タマネギ「春一番」です。みかんの出荷も早いんですが、タマネギも佐賀一番の早さです。佐賀では白石町のタマネギが全国的にも有名ですが、太良のタマネギは白石より一ヶ月以上早く、2月20日には出荷を始めました。手ごろなMサイズがそろい、新タマネギですので、とっても甘く、生でサラダにしてほしいぐらいフレッシュなんですよ。


Q・まさに「春一番」というネーミングがピッタリですね。やはり出荷が早いのは太良町の気候が影響しているんですか?
A・そうですね。いつも太良では先取りしている感がありますね! こちらが春一番なら、ほかは春二番といってもいいかも(笑)!? 新タマネギが多く採れる場所は太良町の大浦地区という場所なのですが、みかん同様、有明海に囲まれて冬でも温暖な気候、寒暖の差がなく年間を通じて穏やかな土地柄がさまざまな作物を育んでいるといえますね。みかんはもちろん、さまざまな作物が佐賀では栽培されていますが、内陸部の盆地では底冷えするので、そこに比べたら一年を通して温暖な気候を保っていられるのは太良ならではの特長だと思います。それでも、昨年の“高温多雨”など大きな天候の変化は避けられないですけどね。


Q・送料無料なのもうれしいですね。新タマネギの後は何の出荷を予定していますか?
A・新タマネギが大体4月の中旬までなので、その後、「貯蔵デコポン」が入れ替わりで登場します。露地栽培で作った、普通のデコポンは3月末で終わりなのですが、「貯蔵デコポン」はすでに年末に収穫して、「Pプラス」という農作物の鮮度を保つ特殊なビニール袋に一つひとつくるみ、約3カ月間貯蔵…つまり寝かせるんですよ。Pプラスに入れて貯蔵することで品質管理を行い、5月ぐらいまで露地栽培と同じ味のデコポンが食べられるんです。こちらはGW明けまで出荷の予定です。


Q・デコポンはみかんの出荷が終わったころからシーズンなんですね。品質チェックはやはりみかんと同じ、最先端の機械で行うんですか?
A・はい。デコポンはみかんと入れ替わりの11月、12月からがスタートですね。でもみかんに比べてデコポンはデリケートなので、一つひとつ手摘みでまず人の手によって入念にチェックされます。また、糖度は13度以上がデコポンの基本です。とにかく甘くておいしいですよ! 酸度は1.0。柑橘は糖度と酸度のバランスが味の決め手です! 太良みかんのブランド商品で贈答品となる「さが美人」が糖度12度、酸度が1.0なので、デコポンの品質の高さもおわかりいただけるでしょう。


Q・デコポンは「清見」と「ポンカン」の子どもですよね。
A・品種名を「不知火」といい、熊本でも多くとれる柑橘です。こちら「Pプラス」の袋に入れて一定期間寝かせることで、より酸味が抜けて甘さが強調される「追熟」という処理を行うことで、より食べやすいようにと工夫しています。太良みかんはひと月ごとに糖度が1度あがっていき、10月に採れた早生も、12月には11~12度の糖度になってゆきます。その中で、違う種類ですが糖度13度以上あるデコポンは一番甘い柑橘ですね。


Q・自然の甘みは、スイーツにもかないませんからね! 貯蔵デコポンがGW明けに終わった後は、みかんのシーズン9月までずいぶん時間が空きますが何をされるんですか?
A・「JAさが たらみかん」はみかんだけじゃないんですよ。その後は梅の収穫、出荷を予定しています。「光陽」という品種で肉厚の小梅サイズですが、こちらを初めて「さがファン」で出せたらいいなと思っています。その後、7月下旬にはグリーンハウス(ハウスみかん)、そして、次のシーズンにそなえ、機械のメンテナンス、これも重要な私たちの仕事です。なんだかんだ、シーズン以外にもやることはたくさんあるんですよ(笑)。ぜひ、ショップページをチェックし続けてくださいね!


タマネギタマネギ出荷
新タマネギの甘~いおいしさが味わえるのは春だけ!「春一番」はまず生で食べてみたい。


デコポン仕分け 工程6
デコポン仕分け

選果場では、人の手で一つひとつ丁寧にデコポンが仕分けされていた。美しい“ヘソ”がついた甘いデコポンがここから全国に発送されてゆく。




太陽から光が届きやすい山の中腹部に広がるみかん園。そこから臨むのは穏やかな有明海。この独特な風土と気候、そして農家さんの力量が美味しいみかんを作り出してゆく。




最先端の技術が備わる「たらみかん選果場」。糖度と酸度は光センサーで判定し、画像処理装置で色、傷、サイズ、そして甲高、扁平度まで測定。



自動瓶量機で5キロ、10キロ箱、と定量に箱詰めされ、細かいチェックは手作業。




1日150トンものみかんが全国へ。9月から1月にかけて露地栽培みかん、その他の時期はハウスみかんの出荷と1年中休みはなく、選果場は大忙しだ。


>> たらみかんの商品はこちらからご購入いただけます。




同じカテゴリー(JAさが たらみかん)の記事
 JAさが たらみかん 山田 正一さん (2010-11-30 18:15)

Posted by さがファンショッピング  at 12:32 │Comments(0)JAさが たらみかん

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。