店主訪問記

2018年10月03日

「白山文雅」鶴田 龍磨さん

白山文雅 鶴田 龍麿さん
白山文雅
店長
鶴田 龍磨(りょうま)さん

今年で60周年。本格的に全国進出!
カレー伝道者、佐賀を飛び出し国内行脚中。

 “欧風カレーの聖地”として、全国からカレーファン、一流料理人が日々、佐賀に訪れるようになった『白山文雅』。今年60周年という大きな節目を迎え、新たなるチャレンジの時を迎えたようだ。それは全国進出。先代の味を引き継ぎ2016年の春、三瀬村に姉妹店『白山舎』をオープンさせたオーナーシェフの上野茂和さん。ひたすら美味しいカレーを追求する上野さんのこだわりは、ここでもずっと紹介し続けてきた。そんな彼が新しいバトンを渡したのは、本店店長の鶴田龍磨さんだ。鶴田さんのミッションは老舗の看板を守りながら、全国に文雅の味を広めること。その新しい取り組みを聞きに、久しぶりに本店の扉を叩いた。


Q・鶴田さんは25歳という若さで店長なんて、大抜擢ですね。
A・毎日がプレッシャーですが、創業60年の店の店長を務めることを大変光栄に思っています。私は元々食に興味があって、もちろん『白山文雅』の存在は知っていましたが、学生が行けるようなお店ではありません。高校生の時食べ歩きが趣味の父に連れられ、初めてカレーを食べた時の美味しさに衝撃を受けたことを良く覚えています。

Q・その時は上野さんのカレーを食べられたわけですね。どうして文雅に入社しようと思われたんですか?
A・将来は…といっても祖父ぐらいの歳になったら喫茶店をしたいなと漠然と夢を描いていたんですが、高校卒業当時は写真館に勤めていたんです。ある日道端でバッタリ出会ったのが、上野オーナーで文雅のオーナーシェフだとは知らず、私と同じバイク(ベスパ)に乗っていたので、珍しいと思いこちらから声をかけたんですね。それから休日は一緒に美味しいもの巡りのツーリングに行くような仲になりました。

Q・鶴田さんが上野さんを街でナンパしたというわけですね。その後、文雅にスカウトされたと?
A・そうです。仲良くしているうちに言いくるめられまして(笑)…冗談です。上野オーナーのカレーへの熱い思いに感動し、写真館を退社してバイトからスタートしました。厨房・ホールのバイトを経た後、社員となり店長になりました。出会いとは面白いものですね。最初はレシピを覚えるのが大変でしたが、厨房を預かっている先輩2人のおかげで徐々に仕事を覚えていき、文雅のカレーのコアとなる味付けをオーナーチェックのもと、今学んでいる真っ最中です。

Q・お客様は鶴田さんのおじい様ぐらいの方も多いでしょう。でも鶴田さんはとてもお客様にかわいがられそうですね。
A・お客様の懐の深さにはただ感謝するばかりです。常連のお客様の中には社会的地位の高い方も多いですし、それこそ50年前に初めてのデートで食事にいらしたという高齢のご夫妻もいらっしゃいます。文雅が築いた60年を裏切ることは決して許されませんし、食事の味以外にも接客や空間づくりも大切な務め。かわいがっていただけるからといって、甘えることをせず、お客様に特別なひと時を過ごしていただくように努めています。

Q・今年から全国の百貨店等で行う食のイベントに積極的に参加するようになったそうですね。その顔を務めるのが鶴田さんなんですよね。
A・そうなんです。実は月に10日間は出張で全国あちこちに出ているんですよ。私は人と話すことが大好きなので、楽しくやりがいがありますね。以前は人手が足りず、お誘いはあっても催事には参加できなかったんです。転機は2年前、2016年の11月に福岡の岩田屋本店で北九州、佐賀、長崎の食品を集めた催事でした。缶詰の『先人が愛したビーフカレー』をお披露目する為でしたが、これが大反響でして。それまでネット通販で真空パックの商品を買ってくださっていたお客様が、直接買いに来てくださったり、初日に試食で気に入ってくださった方が、最終日にまたいらっしゃって買ってくださったり…途中で仕込みが追い付かない状態になって、スタッフ一同嬉しい悲鳴をあげていました。真空パックと缶詰を含めて1日250食を売り上げたのは想像以上でした。

Q・今まではカレー好きな方が、全国から佐賀にいらっしゃるという態勢でしたが、本格的に佐賀から全国へ出て行こうという姿勢になったのですね。
A・創業60周年を機に新しいことにチャレンジしよう、という思いがありました。また、『白山舎』の厨房が広いので、今までより仕込みも大量にできるようになったという理由もあります。しかし最初は右往左往していましたが、周りのブースの皆さんからとても親切にアドバイスをいただき、助かったことがたくさんありました。また全国各地で顔見知りの方々も増え、情報も多く入ってくるようになったんです。店を飛び出さないと得られない貴重な情報も多いので、常に新商品開発に勤めているオーナーシェフや本店で厨房を預かる先輩やホールのスタッフたちにフィードバックしています。

Q・やはり、地方によってお客様の反応は違いますか?
A・特に東京は違いますね。文雅のカレーは佐賀では価格が高い方ですが、東京では通常価格かお安い方です。ですので「もっと価格を上げた方がいいんじゃないか?」とお言葉をいただくことも多いんですよ。通常、催事は数日間行うのですが、1日目の反応と最終日の反応が違うなど、ダイレクトにお客様の反応が見られ、売り上げという数字に反映されるので面白いですね。大体1日目に来ていただいたお客様が家に帰ってカレーを召し上がり、美味しかったので最終日に1日目よりも多く商品を買っていただくという流れも多いんです。佐賀に戻っても、「今度はいつ催事をやるのか?」といったお電話や、ご年輩の方から「美味しかったからまたぜひ来てほしい」というお手紙をいただくこともあり、感動するとともに驚いています。あと面白いこともあったんです。東京でのカレーフェアに参加した時に、カレー研究家の水野仁輔さんがいらっしゃったんですよ。私は水野さんの大ファンで、興奮してサインをいただきにいったんです。そうしたら水野さん、「先日、佐賀の本店に行きましたよ」とおっしゃっていて、ビックリしました。私は東京にいて、オーナーも三瀬にいたので誰も気づかなかったようです。東京では有名な俳優さんとか、驚くような方が催事にいらっしゃることが多いですね。

Q・へえー!しかし、鶴田さんが全国を飛び回っている間はお店が寂しくなりますね。
A・そう言っていただけると、本当にありがたいですね。また心苦しくもあります。常連のお客様がお店にいらっしゃっても私がいないことも多く、うまくバランスをとってやっていけたらな、と思っています。常連のお客様とはお電話でお話することもあり、「鶴田くんがおらん間はこげんやったよ」と情報をいただくこともあるんですよ(笑)。

Q・すごいですね~。その笑顔がお客様をとりこにしているんでしょうね。鶴田さんはすっかり『白山文雅』の顔ですね!
A・いやいや、全然まだまだですよ。文雅にいらっしゃり、文雅のカレーを支持してくださるお客様すべてにご満足いただかないと。上野オーナーのつくるカレーの味は、お召し上がりになった方すべてに満足はしていただいていると思うんです。でもつくる人が見えないと、と思うんですよ。

Q・上野さんがカレー求道者なら、鶴田さんはカレー伝道者というわけですね。
A・目指していきます!上野オーナーは直接お客様と接することはないので、私が彼の思いを伝えていきたいと思っています。オーナーシェフとはツーリング時代、全国のあちこちに旅して美味しいものを食べてきました。それからというもの、私10キロ以上も太ったんですよ。もともとフットワークが軽いので、全国を飛び回る仕事は楽しいことばかり。催事後にその地方の有名店に行くこともあります。でも最近ちょっと痩せないとなあ…とも思っているところです(笑)。今後も催事が控えていますので、ぜひいらしてくださいね!



◆全国のイベントで『白山文雅』のカレーを!◆

10/6(土)-10/7(日)鹿児島市中央公園(九州最大2018カレーフェスタ)※台風25号の影響により中止となりました

10/11(木)-10/17(水)たまプラーザ東急3F(九州物産展)試食販売

11/7(水)-11/13(火)岩田屋本店B1F

11/21(水)-11/25(日)香蘭社赤絵町工房2F(第14回秋の有田陶磁器まつり)イートイン

2019年 1月 伊勢丹立川店

2月 伊勢丹浦和店


ビーフカレー牛タンシチューカレー
一番人気の『伝統のビーフカレー』(1,200円)に『牛タンシチューカレー』(1,800円)。真空パックなので、“甘み、うまみ、深み”で締める『白山文雅』の味をそのまま家で楽しめる。賞味期限は製造後14日間なのでお早目に!

お得な牛タン・ハヤシ入り7個セットお得な定番5個セット
ギフトもオススメ。『お得な牛タン・ハヤシ入り7個セット』(写真左7,500円)はすべてのメニューが詰まっている。『お得な定番5個セット』(5,000円)はビーフ・森のきのこ・辛口ジャワ・セイロン風チキン・スパイシーポーク入り

先人が愛したビーフカレー缶先人が愛したビーフカレー缶
『白山文雅』の顔ともいえる缶詰『先人が愛したビーフカレー』(1個1,200円、3個セット3,600円)は常温で保存期間が1年間と嬉しい。本店、『白山舎』でも購入できる

先人が愛したビーフカレー缶先人が愛したビーフカレー缶
佐賀市中心部、白山にある“昭和の高級店”の名残をとどめた雰囲気のある本店。60年来の地元のファンも通う。予約制の夜のフレンチコースも好評だ

先人が愛したビーフカレー缶先人が愛したビーフカレー缶
福岡からもアクセス抜群、大自然に囲まれた三瀬村にある姉妹店『白山舎』。テラス席もあり、電話予約がベター。“山のごはん”をテーマにバターライスに古代米を使うなど、本店との違いも楽しめる

>> 欧風カレー「白山文雅」の商品はこちらからご購入いただけます。

取材:森泉敦子



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Posted by さがファンショッピング  at 10:03 │Comments(0)白山文雅

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