2017年10月31日
「生鮮横丁」坂元 祐一さん
生鮮横丁
ネット販売担当
坂元 祐一さん
他店にないお肉がココにある!
リピーター必至のNEWショップ
10月から『さがファン』に新規オープンした『生鮮横丁』。ショップには九州産黒毛和牛をはじめ、佐賀産豚、ありたどり…焼き肉用、ステーキ、しゃぶしゃぶなど用途に合わせたお肉が1kgから豪快にズラリ。同業他店がひしめくお肉大国・佐賀で、ネット販売を始めてひと月で100万円以上を売り上げる!というその魅力は?何か秘密でも…?大和町・久池井の実店舗にて、疑問をぶつけまくりの初インタビュー。
Q・実店舗は大通りをはずれた住宅街にあって発見しにくいですね。迷いましたよ~。
A・ここは元々、大和町の久池井(くちい)地域に密着したチェーン店スーパーだったんです。大型チェーン店に比べ、高齢のお客様や子どもたちにとって身近な存在でしたが、5年前に閉店することになったんです。そこで『生鮮横丁』という新たなスーパーとして生まれ変わらせたのが、うちの社長なんです。
Q・青果から生活雑貨まで何でもそろっていますね。中でもやはり精肉コーナーの充実ぶりには驚きです。伊万里牛の大きな塊が並んでいる!
A・社長が地元のお客様から直接、「この店がなくなったら困る」というご意見をいただいていたんですよ。そこでより魅力的な店へとよみがえらせる為に、社長がネットワークを駆使して精肉コーナーを目玉にしたスーパーを作り上げたんです。また、久池井地域の住民の皆さんがいつでも集える場を目指し、高齢者支援にも力を入れています。また小学校も近いので、お菓子なども高齢者や子どもたちを意識した品ぞろえになっています。
Q・さすがですね。チェーン店に飽きた方にはきっとワクワクするような品ぞろえ!
A・レジカゴにお肉を山のように積んだ高齢のお客様も多いですよ。最初はその光景が驚きでしたが、社長の読みはすごいと思いました。やっぱりお肉は元気の源なんですね。また地元のお客様だけじゃなく、週末となると他県ナンバーのお客様も多くいらっしゃるようになったんです。「ほかの店にはないような肉が、大和の小さな町のスーパーで買える」とクチコミでどんどん広がっていったようです。
Q・そこでネットショップにチャレンジすることに。坂元さんの出番ですね。
A・実は私、正式に入社したのは今年の9月なんです。しかもネットショップは初体験でした。以前、トラックのドライバーをしていた時の配達先が元のスーパーで、社長と面識はあったんです。その後小学校の教育支援を行っていました。小学校の仕事の上がり時間が早かったので、昔のつてで『生鮮横丁』で夜までアルバイト、家では空いた時間を生かしてクラウドソーシングサイトに登録して、WEBライターの仕事もやっていたんです…。
Q・ええっ、3足のわらじ…?坂元さん、好奇心旺盛ですね。自分探しですか?
A・そうかもしれません(笑)。好奇心もありますが、家庭の事情もあって、とにかくいろいろな仕事をしてスキルを身に付け、いずれはインターネットを介して仕事を請け負う、個人事業主としての独立を考えていました。しかし、社長のひと声で『生鮮横丁』のネットショップ立ち上げ担当に…。バイトをしていた時、精肉コーナーを見て「本当にいいお肉がそろっているなあ。実店舗だけじゃなくネット販売したらいいのに」と思っていたんです。それを社長に提案したら、社長も同じ事を考えていらっしゃいました。
Q・急展開ですね!しかも専門知識はゼロからスタートしたそうですが…?
A・それ以前にふるさと納税の返礼品でお肉を出品していて、社長もネット直販に可能性を感じていたらしいんです。まずはネットショップといえば、大手サイト、楽天、アマゾン…ですよね。楽天出店が王道なのはお話を聞いてわかりましたが、なぜだか自分の中で違和感があったんです。もっと新しく、誰もやっていない方法はないだろうか…と。
Q・そこで出てくるんですね。今、流行中のフリマアプリで出品の発想が。
A・なぜ、楽天に違和感があったのかというと、出品者と購入希望者の距離が遠いという理由もありました。それがいいという人もいるでしょうけど、私が商売をするならできるだけ近い方がいいと思ったんです。あとやはり、好奇心ですね。既存のサービスにそのまま乗っかるのは自分的には商売としてもつまらないな、と正直感じていました。
Q・自由な分、出品者も多いので見つけてもらうのが大変では?
A・私の場合は、購入希望者とマメにやりとりをしました。その会話から年代も把握できて、商品をいろいろ組み合わせたり、こちらから提案も行ったり…いわばメール友達感覚で商売が成立していったんですよ。そこで、これは精肉にも応用できる!とピンときたんです。そこで店名でアカウントをとり、まず試しに1商品登録してみたんです。当初は1週間ぐらいかかるかなと予想していましたが、当日の夜に購入があり、それからどんどん商品をアップする度に売れていきました。8月の半ばから始めたのですが、ひと月で10万円の売上を達成したんですよ。
Q・ひと月で10万円ってビックリですね!
A・それがですね!今(10月半ば)は一日に10万円の売上になったんですよ。9月は月で100万円の売上を達成しました。今日の昼段階で12万円売上が出ています。正直、今、実店舗との兼ね合いで新商品の供給が間に合わず、新商品は出していないんです。
Q・前月対比10倍の売上!坂元さんの目のつけどころもすごいですが、どうしたらそんなに売れるのでしょう…ネタバレにならない程度にちょっとだけ教えていただけませんか?
A・まず、ラッキーだったのはフリマアプリで精肉を出品している競合店がまだ、少なかったこと。ライバルとの差別化のために、食肉処理業、食肉販売業、飲食営業等の登録番号を記載し、信頼ある肉屋だということをきっちりとアピールしています。またスマホの特性を利用して、お肉の写真の上に短いキャッチコピーを載せました。これはうちが初めてですね。商品内容とその特徴、値段を一画面で見られるようにして、商品説明も簡潔にしています。以前、やっていたWEBライターのスキルが生かせているなと感じています。
Q・新しい発想に驚くばかりです。最低でも1kg~と量も多いですが、購入する客層は?
A・みなさん、主婦の方ですよ。一度購入していただくと、リピーターさんに情報が届きます。そこでがっちり顧客様を確保することができるんです。新商品を発信する時間帯も分析しました。また、月替わり、クレジット決済日、給料日、入金締日などいろいろなタイミングを分析することによって、大きく反応が変化するんです。
Q・ネット販売もどんどん進化していますね。スマホが主流になってきました。より気楽にお買いものができるようになり、今までの受動的なサイトとは別物のようです。
A・やはり、スピード感が一番大事になってきますね。購入希望者さんとリアルタイムでやりとりができ、こちらから柔軟に提案できることが大きいですね。でもこれも時代ですので、今に安住せず仕掛けを考える必要がありますね。『生鮮横丁』で扱っているお肉はすべて九州産。リピーターの方々は"九州産"の一言に安心し、購入してくださいます。しかし、今後ライバルも出てくるでしょうし、価格で負ける部分も出てくるでしょう。そこで本商品のおまけとして外国産の牛タンをプレゼントするなど、お客様を飽きさせないためにいろいろな工夫を考えています。
Q・坂元さんは精肉についても初心者ですよね。しかもネット販売以外にもレジ接客、配達、飲食店に営業などフル稼働!
A・全くの初心者です。ネット販売も精肉も素人アンテナが効いたのかな、と思いますよ。あと、何でも吸収しようという思いと好奇心を大切にしています。毎日精肉担当者に特徴を聞いて商品説明に反映し、売上も実店舗、ネットショップとどちらが売れたか競っているんです。これからお歳暮のシーズンがやってきますし、年末年始には月に300万円売り上げるのが目標です。ギフトのニーズも早くからあって、お客様とは個人でやりとりもできるので、きめ細やかな対応でお客様にピッタリの商品を提案していきたいですね。実店舗の仕事においても、楽しんでやっています!
Q・ぜひ『さがファン』でも新しいお客様がつきますように。今後の抱負を聞かせてください!
A・『さがファン』のサイト特性に合った売り方を考えていくのも、今後の課題です。数字としては売れていると言ってもまだまだ。これからあくなき追求を続けていきます。実店舗はわかりにくい場所ですし、元のスーパーの感覚でいらっしゃるお客様もいらっしゃり、まだ知名度的には低い方。『生鮮横丁』はお肉に力を入れているスーパーで、他の店ではなかなか出会えないお肉がココにはある、ということをネットショップと共に、どんどん広めていきたいですね。これから年末に向けアッと驚く隠し玉的な仕掛けを用意しているので、ぜひこの機会にフォローをお願いします!
佐賀市大和町久池井(くちい)の住宅街にある『生鮮横丁』。自慢の精肉コーナーには、伊万里牛リブロースステーキのブロックも
スライスしたお肉を一枚ずつ丁寧にチェック。お肉を包丁でカットする際も、長年の経験からg数が予想できるという。この大きな黒毛和牛の塊は2つでなんと25kg
焼肉や鍋、しゃぶしゃぶ…用途別にお肉がズラリ。焼肉のタレや鍋スープ、調味料などもともに提案し、買い物がしやすいように
新鮮な青果、鮮魚コーナーも充実。駄菓子売り場もお店の特徴の一つ。店には生活雑貨まですべてがそろう
>> 「生鮮横丁」さんの商品はこちらからご購入いただけます。
取材:森泉敦子