店主訪問記

2013年08月29日

マルボーロ本舗「北島」諸永 春樹さん

マルボーロ本舗「北島」諸永春樹さん
(株)北島
販売部マネージャー
諸永 春樹さん

“つくること”から“伝えること”へ―。
目指すは製造・販売の架け橋

 「さがファン」においてはその存在抜きには語れない「北島」さん。8年前のオープン当初から“変わらないことを継続していく”ことを信念にお話を伺っているが、「マーガレット・ダ・マンド」が女性誌に取り上げられ、全国的に話題になるなど、常に訪れるたびに良い変化が起きている「北島」さん。しかし、その317年の歴史が醸す重厚感は決して変わることがない。この8年間、通販体制も万全に整え、「さがファン」でも常に売上はトップ…この完璧に近い安心感は一体どこから…?


≪これであなたも「北島通」!!≫
★「歴史もあれば未来もある」工場長 古河義継さん…2005年9月
★「100年後を見据えたお菓子作りを」工場長 古河義継さん…2008年3月
★「お客様に合った“ひとつ”を」北島本店 弟子丸宏美さん…2009年12月
★「人をつないでいくのが使命」北島本店 江川美予子さん…2011年5月


Q・いつ訪ねてもお店の雰囲気は変わらず、心地よいですね。今回は販売マネージャーさんのご登場です! どんなお仕事をされているんですか?
A・当社は工場でお菓子をつくる「製造部門」と店頭などでお菓子を販売する「販売部門」の2部門から成り立っています。私の役割は一言で言うと、製造・販売双方のパイプ役と表現できるかもしれません。丸芳露をはじめとして、さまざまな和菓子、洋菓子が毎日工場で作られ、店頭で販売されていますが、日々の製造個数に目を配り、それが各店の状況に合わせ納品されているか状況把握することが、私の役割のひとつです。


Q・1日の製造個数を管理しているんですか? 責任重大なお仕事ですね!
A・はい。製造の管理はリレーのようなもので、夕方時点での個数を考慮して、翌日の朝、当日につくる個数を調整します。なるべく新しい商品をお客様にお届けしたい想いもありますし、お菓子によって賞味期限はバラバラなので、ロスが出ないよう調整していくのがまず第一の役目ですね。天候はもちろん、イベントなど催物への皆さんの関心、各店舗の状況…さまざまな状況を同時に観て、考え、判断するように心掛けています。


Q・諸永さんはこの仕事に就いてまだ1年ほどだそうですね。それ以前は「北島」の工場で洋菓子職人をされていたとか!
A・はい。24年間職人として勤めた後の異動だったので、仕事は180度一変しました! 最初は単純な商品の出荷準備にでも個数の間違いをして、ロスを出してしまったり…と失敗も多かったんですよ。でも、今は工場にいた時には見えなかった販売の世界、そして会社全体を広い視野で観ることができて、段々、仕事が面白くなってきたところです。店頭に立つことはないですが、イベント等に出向いた際、お客様から直接「おいしかった。ありがとう」と言われた時は、こんなに嬉しいものか!と感動しました。以前は、美味しいお菓子をつくる、それだけに専念していたので、その先、自分がつくったお菓子がどこへ行くのかなど、想像したことがなかったんですよね。とても新鮮でした。


Q・なるほど。そもそも、なぜ「北島」さんでお菓子職人になろうと思ったんですか?
A・元々、モノづくりが好きで、出身も神埼、高校も農業高校、と豊富な作物が身の回りにあるのが当たり前だったんですね。それで、食品に関わる仕事、人に喜んでもらえるものがつくれる仕事…と考えた時に、「お菓子づくり」だと思ったんです。私が入社当時は、戦後にお菓子職人としてスタートした先輩たちが、ちょうど熟年期を迎えているところでした。いわば、世代交代の時期といってもよかったと思います。そんな時期に才能ある先輩たちのもとで、洋菓子・焼菓子をメインに徹底して勉強させていただきました。


Q・24年も職人として活躍した後の異動なので戸惑いもあったと思います。しかし、それゆえに会社において今後、やれる仕事は幅広いのでは?
A・まず、製造の世界と職人の気持ちがわかる分、自分で言うのもなんですが…説得力を持って人に伝えることができます。また、現在、販売の世界、販売スタッフの気持ちもわかるようになりましたので、どちらにも同じ目線で伝えることができるのではないか、と思えるようになりました。販売に異動してみて、職人時代にはわからなかった、発見や感動が多くありました。一つの会社で目標の共有度を高めるためには、コミュニケーションが必要ですし、それこそが私たち「北島」で働く全スタッフの目標「お客様に喜んでいただくこと」につながると思うんですよ。製造と販売の両輪あってこその「北島」ですので、一緒に歩んで行けるよう方向性を探りながら、パイプラインとして日々、行動していくことが私の使命だと思っています。


Q・今、販売マネージャーとして活躍される中で、職人時代と比べて変わったと思う点はどんなところですか?
A・専門的な視野だけ持っていたのが、多方面からマルチに観る視野を養いつつある点だと思います。職人時代は、一つひとつのお菓子を納得いくまでつくることがやりがいでした。毎日10数種類の生地の状態を見きわめ、把握して、変わらない味を毎日つくっていく…火の入れ方一つでも焼き菓子の味は変わってしまいます。自分の頭、目、感覚、記憶、経験を総動員させて、ベストのお菓子をつくっていくのが職人の仕事。とても神経を使う日々でした。そのこだわり抜いたお菓子がどのように販売されているのかまでは意識が向いてはいませんでした。販売方には販売の工夫や苦労があって…この2つの力が一緒になって、初めて、317年の歴史を持つ「北島」が生き続けているんだということが理解できました。


Q・職人としてのお菓子づくりの苦労もわかっているからこそ、現在、お客様から直接「おいしかった」という言葉が染み入るんでしょうね。
A・通常、職人は直接お客様から声をかけられることはないですからね。この感動は今工場にいる仲間たちに伝えたいと思っています。今後は製造も販売も、双方同時にWin Winの関係性を保ちながら、一緒に育っていけたら…そのためのサポートができたら、と願っています。「北島」が長年、お客様に愛され、支持されているということに対し、今後、将来、ずっと変わらずどう応えていくか、それが私の課題であり、「北島」スタッフ全員の目標だと考えています。今後も、どうぞ「北島」をよろしくお願いいたします!


マーガレットダマンド
花言葉は「真実の愛」。口コミで話題になりギフト注文が多いという「マーガレットダマンド」。アーモンドの香りが香ばしく、優しい味だ。見た目にも癒される


北島外観
マルボーロの生まれた地、ヨーロッパをイメージした、ブルー&イエローが北島カラー。 白山町本店には工場が隣接されている


北島内観
開放的で高級感あふれる店内。取材をしている間も、平日だというのにお客さんの足が絶えることはなかった


スタッフのみなさん
丁寧な接客が印象に残るスタッフの皆さんの素顔は気さく。「店頭でもお待ちしております!」


テレビ画面
店内では一連の製造工程を描いた映像をモニターで観ることができる


まるぼうろプティング
カップにミルクを注ぎ、レンジで温めるだけでできる「マルボーロプティング」は北島独自の提案。プティング用のカップ&ソーサー(有田の深川製磁のもの!)も販売


和菓子
色鮮やかで美しい和菓子は、1個から販売している。他の焼き菓子もバラ売りで売ってくれるのもうれしい

北島入口
本店の前、白山名店街の入口は江戸時代初期に創始された佐賀独特の染色品・鍋島更紗の発祥の地の碑が建っている


白山名店街
本店の真横を通る白山商店街は、かつての長崎街道~シュガーロード。ここを通って異国の情報や砂糖を含む物資が運ばれていき、全国に広がっていった。商店街を抜けると歴史民俗館のある街道に出、そしてずっと小倉まで続く


マルロー君 マルロー君
「食べられない丸ぼうろ」として登場したキャラクター、マルロー君。小さいお子様に人気で、親近感あふれる店内づくりに一役買っている


>> 北島の丸芳露の商品はこちらからご購入いただけます。




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Posted by さがファンショッピング  at 12:49 │Comments(0)マルボーロ北島

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