店主訪問記

2024年03月13日

「株式会社ミゾタ」手塚さん・副枝さん

店主
株式会社ミゾタ
環境技術研究所
手塚さん・副枝さん

100年企業の英知と技術が生んだ
佐賀発・自然素材の化粧品が初登場!

私たちの暮らしに欠かせない水。1915年(大正4年)に創業、“水の総合エンジニアリング企業”として、日本全国のインフラを担う株式会社ミゾタさん。「水とともに、人とともに。」をスローガンに、河川に設けられる水門、ポンプ、除塵機などの設計、製造、施工まで一貫して行うなど、水に関する公共事業を通して人々の生活を守り続けている100年企業だ。普段、私たちと直接触れ合うことの少ないミゾタさんが、「もっと人の暮らしに密接なところでも貢献したい」という思いから、同じく水に関する技術を用いて作り上げた基礎化粧品『604シリーズ』。実は発売から15年、これまでの取り組みについてうかがった。

Q・『さがファン』では初めての基礎化粧品ショップですが、お作りになったのが公共事業を幅広く手がけている株式会社ミゾタさんと聞いて驚きました。
A・(手塚さん):実は、基礎化粧品『604シリーズ』につながるプロジェクトは今から24年前、2000年(平成12年)にスタートしたんです。弊社の事業の99%は公共事業で、水門(ゲート)とポンプを一体化させた独自の製品「ゲートポンプ」の開発など、様々な治水・利水システムを作ってきました。その間も、常に自然環境に向き合ってきたのですが、1990年代後半からの世界的な環境問題への高まりを受けて、環境関連技術の研究・開発を行う部門でバイオマス事業に取り組み、2009年(平成21年)、今から15年前に基礎化粧品『604シリーズ』が生まれました。

Q・具体的にはどのような技術が、基礎化粧品づくりへと導いたのでしょうか。
A・佐賀は農業県として稲わらや麦わらといった農産廃棄物が多く排出されますよね。この農産廃棄物を有効活用できないか、との観点から研究・開発が出発しました。そこで注目したのが「加圧熱水抽出技術」です。加圧熱水とは、文字通り「圧力を加えた熱水」のことで、高温の熱水がもつ触媒・加水分解作用などを利用して、植物などのバイオマス資源から有効成分を取り出す技術になります。通常水は大気中では100℃で沸騰し、水(液体)から水蒸気(気体)へと状態が変化します。しかし、大気圧よりも高い圧力をかけると、水は液体状態を保ちます。これは温度にもよりますが、弊社では大気圧の20倍の圧力を装置にかけ、200℃前後の熱水を流通させる抽出装置を保有しています。この装置を用いて当初は稲わらから整腸作用のあるオリゴ糖や、お茶殻から抗酸化作用の高いカテキンなどの抽出を行っていました。

Q・熱い水に圧力をかけて、素材のエキスを取り出す…どのような技術ですか。
A・わかりにくいですよね(笑)。一言でいうと水を使った抽出法です。例えば、お茶やコーヒーを飲む時、お湯を沸かしますよね。お茶やコーヒーは冷たい水をかけても味が出ません。でも水を沸騰させた熱いお湯なら、お茶の葉やコーヒー豆が持っているエキスを抽出することができるので、お茶やコーヒー本来の味が楽しめるんです。

Q・なるほど。コーヒー豆そのものが溶けるというわけではなく、お湯によって豆自体の持つ有用な成分が抽出されるというわけですね。
A・そうなんです。この場合お湯は、“溶媒”と呼ばれます。水溶性という言葉はよくお聞きになると思いますが、水に溶けるものを水溶性物質と呼びます。「加圧熱水抽出技術」は、水に溶けやすい成分を抽出するのに特化した技術です。お茶やコーヒーは100℃になった水、つまりお湯を溶媒としてカテキンやカフェインといった成分を抽出することができますが、すべての物質(有用成分)がそうではないんです。目的とする物質によって抽出する温度域が異なるため、地道な実験と分析を重ねる必要がありました。

Q・へえ~!化学の実験を思い出します…なんて稚拙なコメントですみません(笑)。『604シリーズ』の有用成分は、鹿角霊芝(ろっかくれいし)という特殊なキノコだそうですね。
A・いえいえ(笑)。先ほどお話しした通り、当初は稲わらなどの廃棄物やお茶殻からの抽出をおこなっていました。しかし、コストの問題に突き当たり、残念ながら事業化にはいたりませんでした。しかし2005年(平成17年)に熊本で鹿角霊芝という特殊なキノコに出会ったんです。それから鹿角霊芝を原料とした抽出実験を開始しました。鹿角霊芝には免疫力を賦活させる(活性化させる)効果があるとされるβ-グルカンとトリテルペンが含まれています。重量比で約50%のβ-グルカンが鹿角霊芝には含まれていると言われますが、100℃の熱水で加熱しただけではこれらを体内に取り込めるサイズにすることはできません。摂取しても、食物繊維として体外に出てしまいます。β-グルカンは分子量が大きく、腸内では吸収できないからです。加圧熱水抽出技術では加水分解作用によって、β-グルカンの分子量が腸内で吸収できるサイズにまで小さくすることができるのです。こうした研究を進める中で、いくつかの特許も取得いたしました。(特許第5175072号:有用物質の抽出装置、特許第5249559号:鹿角霊芝からの有用物質の抽出方法とその装置)また、β-グルカンは糖質のため高い保水力を保ち、トリテルペンはシミの原因となるメラニンの抑制効果があると言われています。健康食品への原料供給を展開するとともに、β-グルカンやトリテルペンがもつこれら特徴に着目し、化粧品用原料としての展開が望めないか、とのひらめきから基礎化粧品『604シリーズ』が誕生しました。

Q・世の中には数えきれないほど化粧品がありますが…研究開発から化粧品への展開まで、大変な経緯があったんですね!
A・はい。まず事業化するために、佐賀県の補助金事業を利用させてもらいました。これらの補助金を使って、現在の抽出施設を整えました。生産体制を整え、特許を申請・取得し、 2009年(平成21年)、『moist Cream 604 保湿クリーム』の試作販売を行い、アンケートをとったところ反響が大きかったんです。「クリーム以外の基礎化粧品はないのか」などシリーズ化を望むお声もいただきました。

Q・2009年というと、15年前ですね!新たに昨年末からは、佐賀の特産品が多数そろう『佐賀工房』(えきマチ店・空港店・バルーンミュージアム店)で『604シリーズ』を購入できるようになりましたが、それまで通販などはされていたんですか。
A・いえ、これまでは社内販売をはじめ、地元の物産館や薬局など一部店舗でのみ取り扱っていただいている、クチコミで知られた商品だったんです。一回使ったらリピーターになってくださるお客様が多く、今までは直接、電話やメールで問い合わせを受けたら、発送するという形をとっていました。また、色々なイベントで、サンプルを配ったところ「一体どこで、『604シリーズ』が手に入るのか」というお声もいただき、ようやく本格的に通販でも販売してみようということになったんです。

Q・クチコミのみ…それはすごいですね!まさに知る人ぞ知る、化粧品!
A・商品の良さはわかってはいたものの、販売網を確保、展開するには人手も労力もいります。それだけに力を注げなかったことは事実です。実際、現在バイオマス事業を含む化粧品などの環連事業に携わっている社員は少なかったので、今回のDX化に伴い、販売強化にいたったわけです。環境技術研究所では、抽出技術の研究・開発以外の事業も手がけていますが、弊社全体の事業の割合でいうと、数パーセントを占めるくらいです。少数精鋭ですが、今後1割を満たす事業にすべく、頑張っているところです。

Q・化粧品の良さはお墨付き、今後、より多くの人に使ってもらうために、新たなスタート地点に立ったというところですね。
A・はい。弊社は『604シリーズ』の企画・発売元ですが、製造販売元は熊本の会社で、抽出技術を用いた原料を提供するのが弊社のスタンスです。しかし、「加圧熱水抽出技術」自体は大きな広がりを見せています。食品だけではなく、スギや竹、オリーブ葉などの非食品系の素材からも有効成分を抽出でき、弊社では抽出から濃縮、エキスの粉末化まで一貫して行うことができるので、幅広い企業から抽出依頼を受けています。

Q・副枝さんは入社3年目だそうですが、化粧品などに関心があって入社されたんですか
A・(副枝さん):化粧品は毎日使うものなので、もちろん興味はありました。ミゾタが化粧品を販売していることもHPで知っていたのですが、加圧熱水抽出技術や鹿角霊芝については入社後に知りました。業務に携わる中で学んでいった部分も大きいですね。でも実際、『604シリーズ』を使ってみると本当に良い商品で、どんどん関心が深まっていきました。基礎化粧品って、人によって合う、合わないがあり、値段が高ければいいというものでもありませんよね。『604シリーズ』は天然由来の成分から作られたものですし、化粧品によく使われるアルコールを溶媒として使っていません。水が溶媒なので安心・安全で、無着色・無香料なので老若男女どなたにもお使いいただけるお肌にやさしい基礎化粧品です。私の一番のお気に入りは『moist Lotion 604(保湿ローション)』ですね。お肌にすっとしみこみ、しっとりするのにべたつかないんです。色が少し黄色がかっているのは鹿角霊芝の素材の色です。弊社では髭剃り後に肌がヒリヒリしないと男性社員にも人気なんですよ。

Q・(スタッフ一同)、サンプルを使ってみましたが、『moist Lotion 604(保湿ローション)』の保湿力がすごいですね。『moist Cream 604 保湿クリーム』でフタをすることで、時間が経っても、お肌がつるつるモチモチです!
A・(手塚さん):そうでしょう!私自身は『Savon 604(洗顔せっけん)』が大好きなんです。顏だけじゃなく、全身、髪にも使っています。泡立ちが良く、ふわふわの泡が包み込んでくれる感じで、パサパサ、カサカサの乾燥肌が改善されました。潤いがあるってこんな気分なんですね(笑)。匂いがないのも使いやすいです。

Q・パラベンフリーにアルコールフリー、この一言で安心して使えます。基礎化粧品特有の香りが気になる方も、無香料・無着色なので、試しやすいですよね。
A・(副枝さん):そうですね。肌荒れや化粧品選びで悩んでいらっしゃる方に、ぜひおすすめしたいです。また、今後はクレンジングや美容液などもっとシリーズを展開し、『604シリーズ』ブランドを作りたい!と思っています。

Q・ぜひパックもほしいですね。個包装にしておみやげのように配れば、良さが広まりそうです。ジェルはみがき『604 fresh』も気になります。
(手塚):武雄産のレモングラス油配合のさわやかな磨き心地のジェルはみがきです。鹿角霊芝とオリーブ葉、茶葉の3種の抽出エキスも配合されています。
(副枝):いわゆる“歯みがき粉”といったら、泡立ちがよく、スーッとする印象ですよね。『604 fresh』 は界面活性剤を使わず泡立ちを抑えることで、歯ブラシをしっかりと歯に当ててブラッシングすることができます。レモングラスのさわやかな香りでさっぱりした磨き心地です。人工甘味料や防腐剤、研磨剤、着色剤を使っていないので、安心・安全でお口にやさしいジェルはみがきです。

Q・武雄といえば、レモングラスですよね。佐賀は自然にあふれ、素晴らしい素材がたくさんあるので、いろいろと可能性が広がりますね。
A・(手塚):『604 fresh』 は泡が立たない、水をあまり使わないで済むという理由もあって、震災の支援物資として選んでいただいたり、自衛隊、介護施設、病院などで使っていただきました。驚いたケースとして、ペットにも使っているというお声も届いているんですよ。

Q・それは素晴らしいですね!今後が楽しみです!全国の『604シリーズ』ファン、そしてこれからファンになるであろう人々のプラットフォームとして『さがファン』は全力で応援していきたいと思います。
A・(手塚・副枝):はい。現在は5月に東京ビックサイトで行われる「2024NEW 環境展」 に向けてプロジェクトチームを組み、準備に励んでいます。展示会では弊社のバイオマス事業の取り組みとともに、『604シリーズ』もしっかりアピールしていきます。化粧品は競争の激しい業界で、生まれては数年で消える商品も多く、その中でクチコミだけで生き残って来た商品をより多くの方に知っていただけるチャンスと捉えています。水とともに歩んできたミゾタがお届けする基礎化粧品『604シリーズ』、ぜひ、一度お試しください!

「株式会社ミゾタ」バイオマス事業 「株式会社ミゾタ」バイオマス事業 「株式会社ミゾタ」 「株式会社ミゾタ」
産学官が一体となって研究開発を行い、バイオマス事業としての取り組みから生まれたミゾタさん独自の「加圧熱水抽出技術」が、全国から注目を集めている。

『604シリーズ』 『604シリーズ』 『604シリーズ』 『604シリーズ』
自然の恵みと、ミゾタさんによる最先端技術から生まれた『604シリーズ』。604は鹿角霊芝の鹿(ロク)、霊(レイ)、芝(シ)から名付けられた。

「2024NEW環境展」メンバー 「2024NEW環境展」メンバー 『604シリーズ』 「株式会社ミゾタ」
「2024NEW 環境展」の準備に励むプロジェクトメンバーは、普段の仕事と兼任の選ばれし精鋭たちだ。ミーティングの様子からも、新たなチャレンジの意気込みや楽しさが伝わってくる。

『604シリーズ』 『604シリーズ』 『604シリーズ』 『604シリーズ』
泡立てネットを使うとよりもっちりふわふわの泡が立つ『Savon 604(洗顔せっけん)』、ベタつかず、スーッと肌に浸透する『moist Lotion 604(保湿ローション)』、肌に優しくのび、潤いをキープしてくれる『moist Cream 604 保湿クリーム』はテクスチャーも良く、一度使うとその良さがわかる。

>> 『MIZOTA 604』の商品はこちらからご購入いただけます。

  


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