最高級の伊万里牛のおいしさを、どんな人にも味わってもらいたいから。
　（有）前田畜産 南波多ミート専務取締役　前田久務さん
　佐賀36万石・鍋島藩の御用窯としてさかのぼること江戸時代、300余年の歴史を持つ、伊万里焼の発祥地・伊万里市。
　北部九州の北西部に位置する伊万里は文化を生んだだけではなく、豊かな食材を生んだ町としても知られている。
　玄海灘に肥沃な大地―海と山の恵みをぞんぶんに受けた逸品の数々。最も有名なのが、“伊万里牛”だろう。
　国産牛の中でも、最高級の牛肉にランクされ、全国の食通に支持される黒毛和牛・伊万里牛。 　生産者列伝第1回目、最高級の伊万里牛のおいしさを、リーズナブルな値段で提供しているという、（有）前田畜産　南波多ミートにおじゃました。



生産者と一体となって、伊万里牛を提案

　きめの細かい美しい霜降りに、鮮やかなピンク色。サッと火を通すと、香ばしさがまたたく間に広がり、ナイフを入れるとスーッと切れる柔らかさ。



　口に入れればじわーっと舌の上でとろけていく…。食べてみなくちゃわからないのが、最高級牛肉・伊万里牛の魅力。

　その伊万里牛が、お店のカウンターに信じられない値段で並んでいる！えっ、牛サシがｇ３ケタ…？
　「これが、福岡の高級スーパーだと約２倍の値段で並んでいますよ」
　と、「（有）前田畜産　南波多ミート」の前田久務さん。
　南波多ミートは伊万里牛を直販している店。 　
　代々肥育農家だった前田家。現在では久務さんのお兄さんが５代目を継ぎ、直販店近くの前田牧場で、日々牛たちを育てている。
　久務さんは直販店をまかされて４年、仕入れから、加工、販売まですべて行っている。

　「家は兄が継ぐと思ってたので、最初は牛に携わる仕事には興味がなかったんですが、農業高校の時に経験した、牛の解体の実習が面白くて」

　と、久務さんは卒業後、大阪の肉屋に就職。解体と営業の仕事を経て帰郷、今にいたる。
　「仕入れにはとても気を遣いますね。畜産家（生産者）の牛の育て方によって、全然味が違うんですよ。私は牛を育てることはできませんが、肉の色、霜の入り具合を見れば、どんな育てられ方をしてきたのかがわかります。生産者と一体となって、いい育ち方をした牛を見極め、販売するのが私の仕事です」。

本物の味は、味わってみないとわからない
　伊万里牛は全国の牛肉ランクA5からC1までの15段階ある中で、最高級のA５が約50％を占める。
　「値段が高ければ高いほど、いい肉と思われがちですが、伊万里牛は食べてみなくては、そのおいしさはわかりませんよ！最高級の伊万里牛をどんな人にも味わってもらいたいから、この金額で出しています。もちろん直販だからできること」
　と久務さん。
　中でも子どもの意見は顕著だそうで、素直に感想を述べてくるそう。

　「1度、伊万里牛で肉じゃがを作ってみてください」。
　なんとぜいたくな。でも、この値段なら気軽に実現できそうだ。
　休日ともなると県内外から店へ車が連なる。
　「さがファンのサイトでは、最高のものを提供したいです。」
　1度食べたら、忘れられない本物の味。ぜひ。
　 　
伊万里牛サーロインステーキ
　価格：￥12,000 (税込)


「かめばかむほど味が染み出る。それが伊万里牛の魅力です」と、手製の看板を掲げる前田久務さん


店の裏には加工場が。肉の解体外注代をはぶき、販売価格を下げている。鮮やかな手つきで肉をさばいている
（有）前田畜産 南波多ミート 佐賀県伊万里市南波多町井手野下原2615-1 TEL：0955-20-3110 　
　伊万里牛専門店の前田畜産さがファンショップで、ぜひ本物の伊万里牛をご賞味ください。