店主訪問記

2014年11月01日

イデマン 鶴 恵美子さん

お母さんが作った料理を食べさせたい!
その一心こそ老舗が新しく羽ばたく原動力

 「さがファン」ではあったようでなかったタイプのお店。ソウルフード、ついに来たか!!とワクワクして訪れた創業百余年の味噌・しょう油醸造元、井手食品こと「イデマン」さん。出迎えてくれたのは美人おかみとオシャレな万能調味料たち。11月にオープンしたばかり、老舗の味噌・しょう油の味と暖簾を守りつつ、健康・美容に良い佐賀県産丸大豆醤油を使った商品を開発。吉野ヶ里発、チャレンジを続ける4代目に熱い思いを伺った。

Q・佐賀県内ではイデマンさんのように昔から続く味噌・しょう油醸造元はあるんですか?
A・三養基、神埼の三神地区ではうちが一番老舗ですね。佐賀県内では私たちのような醸造元は時代の流れと共に随分減ってしまいましたが…。当時を知る方のお話だと、近くの川で木樽や搾り布を洗っていたそうですよ。うちは創業百余年となっていますが、これは醤油・味噌製造にしぼってからの事で、元々酒醤油醸造業だった井手家では、ぶどうの栽培から手がけて葡萄酒も作っていたそうです。今考えると、佐賀県産のぶどうで作るワインを飲んでみたいです。当時としては大きなチャレンジですよね。

Q・古くから醸造元で、しかもこの地区のパイオニア的な存在だったんですね。鶴さんは何代目にあたるんですか?おかみになった経緯を教えてください。
A・私で4代目です。現在の「イデマン」を設立したのは、私の祖父にあたる井手万六で、村会議員としても活躍し、醸造を味噌・しょう油にしぼってからどんどんビジネスを拡大していったやり手だったそうです。当時はしょう油も仕込みからしていましたので、住み込みの杜氏さんを雇い、何年もかけて商品をつくっていました。それから叔母夫婦、私の父母…と代が変わっていったのですが、私としては全く継ぐ気はなく、絵の関係の仕事がしたくて芸術系の大学へ進学しました。しかし、父母が亡くなった後、「イデマン」をひいきにしてくださる地元のお客様のことを考え、主人と一緒に店を続けることにしたんです。

Q・なるほど。工場隣接の店内は老舗という雰囲気はなく、明るくモダンですよね。
A・店を続けるからには、老舗の暖簾は守りつつ新しいことに挑戦していかないと、とまず商品開発から取り組み始めました。味噌・しょう油といえば日本人のソウルフードであり、地域の味でもあります。しかし、最近では若い人たちが味噌汁を飲まなくなったり、共働きのお母さんが家で料理をしなくなったり、といった現状です。私はそんな現状を変えたい、子どもにはお母さんが作った料理を食べさせたい。そしてお母さんと一緒に料理を作る楽しみを子どもたちに伝えたい…その一心から、味噌・しょう油以外の調味料の開発を始めたんです。調味料があれば料理も時間短縮され、より簡単になりますからね。

Q・その調味料の開発は全部鶴さんがされているんですか?パッケージもオシャレですね。
A・はい。実はパッケージも私が全部作っているんですよ!大学では油絵専攻でしたが、勉強した技術は無駄にはしませんよ(笑)。調味料も自分があったらいいな、と思うものや、お客様の意見を参考にしてつくっています。「焼肉のたれ」は味噌のたまり汁を使っているので、なるべくしょう油・味噌づくりと連動させた、ムダのない商品開発を心がけています。

Q・素晴らしいですね!まさに女性ならでは、鶴さんならではの感性と行動力に驚きです。「さがファン」に出店したきっかけは何だったのですか?
A・それが、「さがファンブログ」がきっかけだったんです。もう5年ほど前になりますか、とにかく「イデマン」を知ってほしいという思いで、毎日コツコツとブログを書き始めました。「イデマン」の商品を使って料理をつくってほしいということが最終目的だったので、レシピも載せ始めたんです。そしたらどんどん口コミで広がっていって、自分でも周りの認知度がかなり上がったことに驚いています。本当に塵も積もれば…ですね。ブログは「おかみブログ」としてすっかり定着し、うちの店の情報源になりました。月に1回、吉野ヶ里地区で軽トラ市があるんですが、そこでしょう油や調味料のつかみどりを一回500円で開催するんですよ。毎月目玉商品を用意して、事前にブログで告知するんですが、みなさん、早くからチェックしているんです(笑)。ブログになかなか載せないと「まだね?」と催促が来たり…その影響力はスゴいですね。「さがファンブログ」の一ファンだった私ですが、今回、新商品の販売ルートなどを考えていたところ、これはお世話になった「さがファン」しかない、と決めたわけです。

Q・ありがとうございます!!それにしても魅力的な商品ばかり。今まで、味噌・しょう油の「イデマン」でしたが、新しいチャレンジに際し、苦労はありましたか?
A・味噌・しょう油はなくてはならない調味料で、遠方に引越しされた方からも注文があります。定番の商品は、変えてはならない守る味であるのに対して、新商品は、何か特徴がないと手にはとってもらえないと感じました。そこで、こだわりの原料を使い、佐賀県にこだわった商品開発をしてまいりました。特にここ数年は、そういった厳選調味料の詰め合わせが好評ですね。

Q・平成25年度の農商工連携応援基金事業にて、画期的なドレッシングを作られたそうですね。
A・今年10月に販売され始めたばかりです!“食べる彩り野菜ドレッシング”としてイタリア野菜のビーツとセロリアックを使った「よしのがり菜彩」という商品です。吉野ヶ里で自家製の有機肥料のみを使い、世界の野菜を年間350種ほど生産している「あいちゃん農園」との共同開発で、甘味は県産のタマネギ、国産の洋なし、桃を使うなど素材本来の味を最大限に引き出し、どんな料理にも合うようにこだわりました。もちろん無添加で栄養分もたっぷりなんですよ。企画から販売までは、食品の見本市に出品したり、佐賀駅前でアンケートをとったりして、研究やマーケティングを続け、味も変えていきました。赤と白、と色も美しく、季節の野菜、肉、魚、何の料理にも合うのでぜひ試してほしいです!

Q・オシャレだし美味しそう!ドレッシングそのものが野菜という感じもしますね。健康や美容にも良さそうです。
A・ビーツは“食べる血液”と言われるぐらい、鉄分など栄養分が詰まった野菜です。セロリアックはビタミンB1、B2、食物繊維が豊富で便秘、美肌効果があると言われているんですよ。そんな野菜を使ったドレッシングをこの度発売いたしました。また一緒に使うとさらにお野菜が美味しい「ごま和え胡麻」は、全国で人気商品。胡麻とビタミンEの王様アーモンドを組み合わせることで、胡麻の栄養素「セサミン」をより効果的にとれるという「アンチエイジング」を意識した商品なんです。普通のごま以上に出番が増える、食卓に欠かせないアイテムです。

Q・そんな情報も「おかみブログ」から全国に広まっていったんですね!しかもちゃんと商品にはレシピがついてくるのも支持獲得の理由なんでしょうね。私も見逃せません。
A・ブログのほかにも毎月小さな新聞を発行しています。旬の食材の情報や、吉野ヶ里町のイベント情報も載せているので、機会があれば月に一回の「吉野ヶ里夢ロマン軽トラ市」(毎月第一日曜日・午前8時~11時半まで)に来ていただきたいですね。吉野ヶ里は遺跡もありますし、自然が豊かで、人々も温かくとてもいい町。ぜひ、今後も「イデマン」の「おかみブログ」から、吉野ヶ里町の魅力を発信していきたいと思います!

商品商品
“食”に注目が集まる現在、麹だけ買って自宅で味噌作りをする人も多いという。将来的には味噌作りワークショップを行ったり、町の人々が集う空間になる予定だ。

イデマン 鶴 恵美子さんイデマン 鶴 恵美子さん
ジャズが流れる店内は明るく開放的、いろいろ並べられた商品には目移りしそう。おかみが丁寧に説明してくれ、話も弾む。

イデマン 鶴 恵美子さん

>> イデマン味噌醤油醸造元の商品はこちらからご購入いただけます。



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Posted by さがファンショッピング  at 10:00 │Comments(0)イデマン

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