店主訪問記

2014年09月01日

肥前旨唐本舗 コガヤ 古賀 孝さん

肥前旨唐本舗コガヤ古賀 孝さん
肥前旨唐本舗 コガヤ
古賀 孝さん

佐賀に強力ニューフェイス登場!!
“変わらない味”をベースに進化の真っ最中。

 あったようでなかった、“佐賀牛を使ったごはんのお供”。「アンテナショップフェスティバル2013 ごはんのおとも部門」にて堂々全国1位を獲得。現在、「旨唐佐賀牛」の存在はじわじわと全国へ広がっている。その逸品が「さがファン」にも8月、待望の登場となった。ベースは秘伝の自家製調味料。「美味しいキムチが食べたい!!」の一心から始まった「旨唐佐賀牛」開発への道とは…?“古賀家”一家の熱意を大いに浴びた初訪問。

Q・キムチの素(ヤンニョムジャン)をベースに作った自家製調味料「旨唐醤」や、佐賀牛の甘辛いそぼろ煮が食欲をそそる「旨唐佐賀牛」。商品化の原点は何だったのでしょう?
A・私自身、6年前に故郷・佐賀へ帰ってくる前は、東京で40年間建築関係の会社を経営していたんです。その際、接待で焼肉屋を使うことが多く、有名店を含め100何件か訪ねました。ずっと感じていたのは、焼肉屋はキムチが美味しくなかったら台無し、ということ。そこで兄の焼肉屋開店を手伝った時、キムチづくりには徹底してこだわったんですよ。

Q・“旨唐シリーズ”のベースはキムチ!古賀さんは食品のお仕事とは無縁だったんですね。
A・全くの趣味でしたね。味にうるさいグルメ好きのおじさん、ってところですか(笑)。そこで、兄の店のキムチが評判になり、私も毎日好んで食べていました。佐賀に帰ってから美味しいキムチを探したんですがなかなか出会えず、兄に東京からずっとキムチを送ってもらっていたんです。でも手間がかかるし、それならば自分で作ろうと。それから妻と二人で自家製キムチ作りにチャレンジ、2009年に縁あって朝市に出店、デビューしたんですよ。

Q・こだわりの自家製キムチは、佐賀の市民に受け入れられたのでしょうか?
A・それはもう驚きでしたよ!朝6時に朝市がスタートするんですが、約200個用意したパックが何と7時には売り切れたんです。試食も一緒に行っていたので、ここは美味しい!とどんどん人だかりができて。むろん、自分が作ったものには自信がありましたが、予想外の反響でした。そこで、大和町の「道の駅 そよかぜ館」にも「古賀家キムチ」としてで置かせてもらうようになり、1カ月で300~400個売れるようになったんです。

Q・それはスゴい!キムチへの価値観が変わった人がたくさんいるのでは?
A・キムチは韓国料理の漬物なので、そこまでなじみがない人も多いと思うんですが、もし、高級和食店に行ってまずいぬか漬けが出てきたらえっ?って思うでしょう。家でもまずいぬか漬けと一緒に白いご飯は食べたくない…。全くそれと同じなんですよ。そもそもキムチの味を知らないとその価値は語れないからですね。「古賀家キムチ」にはレストランのシェフや料理人のファンもついたんですよ。

Q・そこから、「旨唐醤」や「旨唐佐賀牛」への道がスタートするんですね。
A・はい。皆さんに喜んでいただけるのは嬉しいですが、私と妻、2人で作っていたのでとても追いつかなくなってしまって…、また性分柄、ずっとキムチを漬け続ける毎日は飽きるなあとも感じていたんです(笑)。そこで「古賀家キムチ」に代わる“何か”はできないか?と、キムチを漬ける際に使う素材やいろんな種類の刻み野菜を混ぜて、熟成させ…と夜な夜な鍋と向き合う日々が始まったんですね。そして奇跡的に出来たのが、キムチの素(ヤンニョムジャン)をベースに有明海産アミの塩辛と韓国産唐辛子をブレンドしたオリジナル調味料「旨唐醤」でした。そして朝市の契約最終日に「古賀家ジャン」という名前で簡易パックで出したところ、これもまた大きな反響となったんです。

Q・東京から帰ってから、息つくひまもなく新しいビジネスで大忙しになりましたね。
A・「そよかぜ館」の館長から最初「ジャンさん」って呼ばれていましたから(笑)。私の考えは、作るのと売るのとでは全然違うということ。売るのはパワーが要りますね。私も妻も美味しいキムチが食べたい、美味しい調味料を作りたい、その一心だったのですが、それを求めてくれる人がこんなに故郷にいた、という事実に気付いてからは一生懸命応えようと思いました。それから、本格的に商品化することになったんです。

Q・「ゆず唐醤」、「のり唐醤」と順調に新しい商品が生まれていった経緯を教えてください。
A・すべて「旨唐醤」がベースです。「旨唐醤」があれば、さまざまな商品を生むことができるんですよ。ですので、佐賀県産の素材とコラボしたら?という周囲の意見を取り入れて、商品化していきました。ただ、手間とひまはかかっています。通常、ユズ胡椒は皮のみを使用しますが、うちではユズの実を一つひとつしぼっていますし、海苔は2~3時間かけてアクとりを行います。ですので、商品自体がピュアなんですよ。当初からはスタッフが増え、少し楽になりましたが、手作りという姿勢は決して変わることはありません。

Q・周りが「旨唐醤」の可能性を放っておかなかったんですね。そこで「旨唐佐賀牛」の流れに至ると…。
A・ありがたいことに協力してくれる方が多いんですよ。特に素材を提供してくださる方が多いんですが、自分自身の商売が成り立たないと素材って提供できないので、ある程度リスクも伴うもの。「のり唐醤」においては、「さがファン」でも好評の「有明の風」さんから素材を提供してもらっていますが、信頼関係を築くことができ、「のり唐醤」用に生海苔の量を確保していただいています。先ほど、「作るのと売るのではパワーが違う」と言いましたが、人と人の関係の大切さを身に染みて感じています。「旨唐佐賀牛」の素材は、私が行きつけの焼き鳥屋のスタッフが提案してくれたんですよ。

Q・まさにファンと一緒に新しい商品を作り、また新たにファンを作っていったんですね。
A・「旨唐佐賀牛」には脂身が少ないすね肉を使っていますが、それまでは様々な肉を使い試行錯誤。また防腐剤を使っていないので、佐賀牛の濃厚な旨みは最初だけで1週間もすれば味が落ちてしまいました。そこで協力者と一緒に風味の持続を実現するために様々な調理方法を試していったんですね。現在、肉の調理は専属の調理人に任せています。

Q・お互いの信頼関係と熱意が「アンテナショップフェスティバル」で全国1位という結果に…!
A・提案しているレシピも全部お客様のアイデアによるもの。あのパティシエ、辻口博啓さんも「旨唐醤」のファンで、これでスイーツを作ってみたいとおっしゃっているんですよ。私は東京に40年間いたので現在の佐賀はほとんど知らず、ゼロからのスタートだったので、本当に人とのつながりの重要さを実感しています。しかし良いことばかりじゃなかったですよ。野菜の仕入れに関しては特別に苦労しました。佐賀は新しいことを良しとする風土じゃないので、農家さんと腹を割るまで本当に時間がかかりましたよ(笑)。ビジネスとして考えればいいことだろう、と何度も思いましたが、それはこちらの価値観ですから。

Q・農家さんにいきなり商売人気質を身に付けてと言っても難しいし、それが上手く行くとも限らないですからね。
A・そうですね。私は自然、食べ物、良いもので溢れている故郷への思いがあったからこそ、佐賀に帰ってきました。そこにそういった農家さんのような佐賀県人気質の“人”が含まれているからこそ、佐賀って素晴らしいなと思えるようになりました。一言で言えば、“変わらない良さ”ですね。迎合しない良さが佐賀にはある。変わらないところから新しいものを生み出していく、というより、オリジナルのものを生み出していく、といった姿勢でやっていきたいですね。

Q・賞を獲得してからというもの、周囲の期待度は上る一方です!今後どう進化していくか楽しみです。
A・お客様皆さんが広告塔になってくれるのがありがたいです。東京・渋谷の東急百貨店から催事のご依頼をいただいたんですが、商品の納品だけにさせていただき、佐賀から出向いての販売はお断りしたんです。東京で反応を見たい気持ちはありますが、ムリはしたくないですね。大量生産は美味しいものもありますが、飽きるし、身体に染み込んでこない。今後の課題はやはりどう売っていくか、ですね。新商品発売の予定もありますし、商品力には自信があります。しかし売り方には決まりがありませんからね…、う~ん、長くなりました!次回に続きます(笑)!

商品古賀家キムチ
ごはんのお供だけではなく、麺料理、お酒のおつまみ…何にでも万能な「旨唐」シリーズ。「古賀家キムチ」はピリリッと舌に響く、コクのある深い辛みが絶品。

商品商品
佐賀牛の旨みと醤の甘辛さがギュッと濃縮された「旨唐佐賀牛」。初めての味に衝撃を感じつつ、どこか懐かしさも感じるまさにごはんのお供。

店内店内
今年3月に佐賀市西田代に移転。多くの商品の試食が可能なのが嬉しい。ギフトや休憩コーナーもある。

外観看板
パッケージやレシピ、チラシ、ホームページ、とイメージを一新中の「コガヤ」。ロゴや商品をテレビや雑誌で見る機会も今後増えるに違いない。

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Posted by さがファンショッピング  at 10:00 │Comments(0)肥前旨唐本舗 コガヤ

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