2014年05月31日
理研農産化工株式会社 金原慶太さん
理研農産化工株式会社
製粉営業統括部 食品部
金原 慶太さん
ついに『九州シリーズ』が完結!!
老舗の視線の先に見る“本当の地産池消”
製油&製粉を一手に手掛ける、日本でも2社しかない企業の一社、『理研農産』さん。ここ10年で家庭用商品の開発・販売にも取り組み、製粉分野では小麦の約9割が輸入という業界において、“九州産”の小麦を使った『九州シリーズ』を展開、そして昨年には約10億円を投じ、佐賀・福岡の2工場の生産設備を増強。創業100年を目前にして、挑戦に次ぐ挑戦を続ける佐賀を代表する老舗企業だ。今回は消費者に一番近い存在である、営業の若手ホープに話を伺った。
Q・「さがファン」でも大人気の『パンミックスシリーズ』に、ついに九州産小麦粉を使った商品『九州産小麦粉を100%使ったパンミックス』が登場したそうですね!
A・はい!昨年4月に発売し、全国展開中です。ただ従来の『九州シリーズ』とは別のブランド扱いにしているんですよ。おかげさまで、『九州シリーズ』はから揚げ粉、たこ焼粉、お好み焼粉、てんぷら粉、蒸しパンミックス、ホットケーキミックス、薄力粉…と7種類。佐賀産の小麦は、シロガネコムギ、チクゴイズミ、ミナミノカオリといった品種がありますが、今回の新商品に使った小麦は、ミナミノカオリに限ったものなんです。
Q・なぜ、『九州産小麦粉を100%使ったパンミックス』の原料は九州産の小麦の中でも、ミナミノカオリに絞ったのですか?
A・パンに適した粉は強力粉です。薄力、中力、強力の区別は、原料小麦の品種の違いと、そのたん白質含有量によります。国産の小麦粉で一番使われているのはうどんなど麺類に使う中力粉なのですが、佐賀産小麦粉の中で、一番たんぱくの数値が高いのがミナミノカオリなんですよ。
Q・そうなんですね!人気の『モチモチトースト』と比べて食感や味はいかがですか?
A・甘みを抑え、サッパリといただけるので飽きがこないですね。シンプルな配合なので、野菜パンやレーズン、クルミパンなどアレンジパンも作りやすいんですよ。日本国内ではパンにいたっては99%が外国産の小麦を使用しています。たんぱくの数値で言うと、ミナミノカオリで10%前後、外国産の小麦は約11~13%が平均です。
Q・『九州産小麦粉を100%使ったパンミックス』は『理研農産』さんのチャレンジの賜物ですね!
A・はい。ほかのメーカーで国産小麦を使って家庭用のパンミックスを作っているところはないんじゃないでしょうか。実際、『九州シリーズ』など私たちの商品は東京まで進出していますが、地元はもとより県外者にも評判がいいんですよ。また、健康志向もありデパートの食品売り場やこだわりのスーパーマーケットから高い支持をいただいています。地元では生協さんのお客様対象のパン教室を行い、ファンの輪を広げていくよう努力をしています。
Q・県外者には九州の評判、イメージは良いようですね。
A・ヘルシーで美味しく、安全な食といったイメージが根強いですね。その点では北海道に似ているかもしれません。県外者に評判なのはとても喜ばしいですが、「地産地消」を理念に掲げる私どもでは、ぜひ、佐賀の皆さんにいま以上に親しんでいただきたいところです。お客様がどれだけ、私たちの姿勢に価値を置いてくれるかがポイントですね。
Q・そもそも、地元・佐賀に貢献したいという企業理念のもと、家庭用の商品づくりを行われているわけですからね。
A・そうです。現在、製粉も製油も業務用7~8割、家庭用2~3割の割合で生産しています。利益だけ追求するなら業務用に特化した方が良いですが、国内には大手製粉会社、製油会社がひしめき合っている状況です。大手企業と差別化をはかるためにも、地方の企業は独自のカラーを出していかなければなりません。私たちの場合は、九州で生まれ育った農産物やそれに携わる人々を応援したい、九州の農産物を消費者の方へお届けするきっかけを作る手助けをしたいという想いから、原料を九州産にこだわること、地産池消を積極的に提唱することなんですね。地方の企業においては、どこに価値を置くか、というところは非常に大切になってくると思っています。
Q・なるほど。会社としては生産工場を増強するなど、攻めの姿勢を見ることができます。今後どう、家庭用商品を展開していきたいですか?
A・九州中のスーパーに私たちの商品が並ぶよう、足元を固めていきたいです!実は、昨年、『九州産小麦粉を100%使ったパンミックス』を発売してから数ヵ月で商品の供給が不安定になってしまったことがあったんですよ。ミナミノカオリは他の九州産小麦と違ってデリケートで生産農家も少ないんです。特に雨に弱く、収穫時期が梅雨入りの時期に近いので、刈り取るタイミングで大きくその後の品質に関わってくるんですね。パンミックスはホームベーカリーで簡単にパンが作れる商品ですが、自分で本格的にパン作りをしたい、という方の為にも、ミナミノカオリを使用した強力粉も商品として販売予定でしたが、やむなく断念しました。今後、どの商品においても安定供給が行えるよう、昨年、工場内の小麦の貯蔵庫を約2倍に拡大しました。
Q・これから『理研農産』さんをリードしていく金原さん!期待しています。
A・粉の世界は深いんですよ。各メーカーからミックス粉が登場したのもここ10年ぐらいのことで、未だに田舎の方に行くと、ミックス粉は売れないんです。時代の流れに歩幅を合わせながら、一営業スタッフとして『理研農産』でしか成し得ない、商品展開を行っていきたいですね。「さがファン」でも、『九州シリーズ』を島根の方がまとめ買いされていたり、と驚きもたくさん。さまざまな角度から商品を発信し、ファンをどんどん増やしていきたいと思っています!
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『九州シリーズ』はパッケージに緑のマークがついているので、ぜひスーパーで探してほしい。油もパッケージをリニューアル。
「食品開発センター」では7人の研究者たちが活躍中。粉の絶妙な配分と向き合う毎日だ。ここから『理研農産』の商品たちが生まれていく。
センター内にはいい匂いが…。他社の商品と比べての唐揚げ、天ぷらの揚げ比べはしょっちゅうのことだそう。
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